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Data No. 194


Data:
 大雪山黒岳(だいせつざん くろだけ) 
 登頂日: 2011年6月16日
 地域: 北海道 大雪山系
 標高: 1,984m    
 天候: 晴れ
 同行者: 単独行 


初夏の北海道山旅 その@


大雪山 黒岳

 



久しぶりに北の山々へ

  旭川空港に近づいたとき、機内の進行右側の窓からは、十勝連峰から大雪山にかけて、残雪豊富な壮大な山々が、雲を突き破って連なり、雲よりも遥かに明るい純白の山肌を輝かせていた。その上空を一旦通過した飛行機は、大きく旋回しながら高度を下げ、次に私の目に飛び込んできたのは、ぐっと近づいて大きくなった、中腹から噴煙を上げる主峰旭岳を中心とした大雪の山々だった。

  ビンボーな私のことですから、今回も、ANAカードで貯めたマイルでゲットした無料航空券での山旅の始まりです。

       
                久しぶりにお邪魔します、大雪の山々へ(中央が噴煙を上げる主峰旭岳、2,290m)
 

想い出の層雲峡から黒岳へ

  羽田を早朝6:50発の便で発ったので、旭川空港からレンタカーを飛ばして、層雲峡黒岳ロープウェイ山麓駅には、まだ充分に山を楽しめる午前10:30に到着。層雲峡には過去2回訪れた。高校時代の修学旅行でと、真冬の激安パックツアーである。いろいろと思い出深い地だ。

  今回は、柱状節理の渓谷や滝の見物が目的ではなく、黒岳に登頂し、大雪山の真っ只中に身を置きたいのだ。

   
       ロープウェイを利用して、五合目に                   リフトを乗り継いで降りた七合目は、完全に雪の世界

  観光客に混じって、ロープウェイとリフトを乗り継ぎ、11:05に黒岳七合目に降り立つ。標高1,520mの七合目は、まだ完全に残雪に覆われていた。そして、黒岳への登りは最初から雪の上だった。リフト降り場傍にある小屋には、管理員らしき熟年男性がいて、私が登り始めると、心配なのか、しばらく下から見られていた。大丈夫です。軟弱者の私は、迷いそうになったり、怖くなったら引き返す「勇気」を持っています。

  実際、今年は残雪が非常に多くて、まだ登山適期とはいえないのだろう。登山路も、夏道は完全に隠れたままなので、残雪の上を他人が歩いた足跡をたどるしかない。その足跡は、ジグザグを切っていないので、ほとんど直登で息が切れる。

    
    黒岳の概念図(パンフレットより)               夏道が全く見えない雪の上を登ってゆく
 

  朝一番は、良く晴れて、山はきれいに見えていたが、次第に雲が増えて、ガスが視界を隠すようになり、やや心細い。七合目からならば、山頂までの標高差も距離も、大したことはないのだが、「道」が見えていないことは、やはり不安をつのらせるものだ。しかも、ロープウェイの山麓駅にストックを置き忘れてきてしまった(これは下山時まで保管していただいた)。

  雪がゆるくなっているところでは、しばしば足がズボッともぐってしまう。そして、ストックが無いので、バランスをとるために雪面に手を付いたりすると、手がザラザラした黒い砂だらけになってしまう。これが非常に不快だった。
 

  
              雪中行軍は続く                               1984m、黒岳山頂にて

  むしろ、山頂が近付いて、日当たりの良い場所は、夏道がかなり現れていた。そして先行している5人パーティの姿を見たときは、ホッとした。
 

壮大かつ優美な大雪山核心部

  有難いことに、山頂に着いたときは、ガスが消え、大雪連峰核心部の山々が機嫌よく姿を見せてくれた。七合目を出発して、1時間強だった。大雪山連嶺は、こんな初夏でも、その名の通り、雪をどっさりいただいていた。ごつごつとした岩稜の山々ではなく、それぞれの峰が、雲間に遊ぶ天女のように、ゆったりおおらかに裾を広げ、気高く、純白の衣をたなびかせていた。

    
             大雪山系の核心部中岳〜北鎮岳方面を望む(主峰、旭岳は左奥方向だが見えず)

           
                                   白雲岳(2,230m)を望む
 

  周囲の山々の標高は2,200m内外であるが、この景観は北アルプスの3,000m峰のそれに全く引けをとらない。

  遠方の山に、このトシになって登って思うのは、それぞれの山頂でのひとときが、そして眺めているその素晴らしい景色が、自分にとって、「これが最初で最後であろう」、ということだ。しかし、連嶺の両側から、ロープウェイを利用して、労せずしてかなりな高所まで達することのできる大雪山系の、このゆったりとした壮大な景観は、「もう一度くらい、ぜひまた来たい!」と思わせる。

  晴天が約束された日、大雪山の花畑が見頃になった頃、今度はぜひ、旭岳から黒岳まで、あるいはその逆でも良いが、のんびりと歩いてみたい。そんなことを、また北海道の山に、遠路はるばるやってくる良い口実としよう。

  初夏の北海道山旅の初日は、この黒岳を下山後、延々阿寒湖畔までのドライブだ。■

 

初夏の北海道山旅 そのA(雄阿寒岳・藻琴山)に続く

初夏の北海道山旅 そのB(富良野岳)にジャンプ

大雪山旭岳の登頂レポ(2002年7月)はこちら

 

大雪山黒岳 行程

2011年6月16日(木曜)
羽田空港 6:50 ==(ADO31便)== 8:30 旭川空港 9:05 ==(レンタカー)=== 大雪国道経由 === 10:25層雲峡黒岳RW 10:40 ==(RW)== 10:50 山頂駅 ==(リフト)== 11:05
黒岳七合目11:10 ---- 12:10 大雪山黒岳(1,984m) 12:20 --- 12:40 七合目==(リフト)==  山頂駅 13:00 ==(RW)== 13:07 層雲峡黒岳RW山麓駅 13:15 === R39 == 北見 == 東藻琴 == 17:40 阿寒湖温泉、民宿両国宿泊  (レンタカー走行距離 310km)

 

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