Data No. 194 |
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ビンボーな私のことですから、今回も、ANAカードで貯めたマイルでゲットした無料航空券での山旅の始まりです。 想い出の層雲峡から黒岳へ 羽田を早朝6:50発の便で発ったので、旭川空港からレンタカーを飛ばして、層雲峡黒岳ロープウェイ山麓駅には、まだ充分に山を楽しめる午前10:30に到着。層雲峡には過去2回訪れた。高校時代の修学旅行でと、真冬の激安パックツアーである。いろいろと思い出深い地だ。 今回は、柱状節理の渓谷や滝の見物が目的ではなく、黒岳に登頂し、大雪山の真っ只中に身を置きたいのだ。 観光客に混じって、ロープウェイとリフトを乗り継ぎ、11:05に黒岳七合目に降り立つ。標高1,520mの七合目は、まだ完全に残雪に覆われていた。そして、黒岳への登りは最初から雪の上だった。リフト降り場傍にある小屋には、管理員らしき熟年男性がいて、私が登り始めると、心配なのか、しばらく下から見られていた。大丈夫です。軟弱者の私は、迷いそうになったり、怖くなったら引き返す「勇気」を持っています。 実際、今年は残雪が非常に多くて、まだ登山適期とはいえないのだろう。登山路も、夏道は完全に隠れたままなので、残雪の上を他人が歩いた足跡をたどるしかない。その足跡は、ジグザグを切っていないので、ほとんど直登で息が切れる。 朝一番は、良く晴れて、山はきれいに見えていたが、次第に雲が増えて、ガスが視界を隠すようになり、やや心細い。七合目からならば、山頂までの標高差も距離も、大したことはないのだが、「道」が見えていないことは、やはり不安をつのらせるものだ。しかも、ロープウェイの山麓駅にストックを置き忘れてきてしまった(これは下山時まで保管していただいた)。 雪がゆるくなっているところでは、しばしば足がズボッともぐってしまう。そして、ストックが無いので、バランスをとるために雪面に手を付いたりすると、手がザラザラした黒い砂だらけになってしまう。これが非常に不快だった。 むしろ、山頂が近付いて、日当たりの良い場所は、夏道がかなり現れていた。そして先行している5人パーティの姿を見たときは、ホッとした。 壮大かつ優美な大雪山核心部 有難いことに、山頂に着いたときは、ガスが消え、大雪連峰核心部の山々が機嫌よく姿を見せてくれた。七合目を出発して、1時間強だった。大雪山連嶺は、こんな初夏でも、その名の通り、雪をどっさりいただいていた。ごつごつとした岩稜の山々ではなく、それぞれの峰が、雲間に遊ぶ天女のように、ゆったりおおらかに裾を広げ、気高く、純白の衣をたなびかせていた。 周囲の山々の標高は2,200m内外であるが、この景観は北アルプスの3,000m峰のそれに全く引けをとらない。 遠方の山に、このトシになって登って思うのは、それぞれの山頂でのひとときが、そして眺めているその素晴らしい景色が、自分にとって、「これが最初で最後であろう」、ということだ。しかし、連嶺の両側から、ロープウェイを利用して、労せずしてかなりな高所まで達することのできる大雪山系の、このゆったりとした壮大な景観は、「もう一度くらい、ぜひまた来たい!」と思わせる。 晴天が約束された日、大雪山の花畑が見頃になった頃、今度はぜひ、旭岳から黒岳まで、あるいはその逆でも良いが、のんびりと歩いてみたい。そんなことを、また北海道の山に、遠路はるばるやってくる良い口実としよう。 初夏の北海道山旅の初日は、この黒岳を下山後、延々阿寒湖畔までのドライブだ。■
大雪山黒岳 行程 2011年6月16日(木曜) |
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