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Data No. BT-21

Data: 
  
 旅行地: 青森県津軽、五所川原市
 旅行日: 2015年1月24日
 天 候: 曇り時々雪
  同行者: YFさん、ASさん


津軽鉄道

ストーブ列車

2015冬の汽車旅@



真冬のみちのくへ

  今まで、好きな汽車旅は、ほとんど「ひとり旅」。それが近年、地元のKスポーツクラブでお付き合いいただいている、宴会幹事の番長(YFさん)とASさんが、「じじばば休日倶楽部」に入会していただいたのを機会に、3人で冬の汽車旅を楽しみました。この2人の入会紹介ポイントで、私は赤白ワインを2セットをゲット (^-^)v。

  初日は東京駅から東北・秋田新幹線、最高時速320kmの「こまち7号」で秋田へ昼過ぎに到着。秋田駅からは海沿いの五能線を走るリゾート列車「リゾートしらかみ5号」に乗り、青森県の五所川原へ。途中、吹雪の影響で、1時間以上遅れて、19:00前に五所川原に到着でしたが、話し相手の居る道中は、退屈せずに済みました。

       
       リゾートしらかみ「青池」はハイブリッド車両               個室風コンパートメントは宴会に最適!

  五能線「リゾートしらかみ」の旅詳細は、ここでは割愛しますが、ご興味ありましたら、2009年秋のレポをご参照ください。五所川原では、天然温泉のあるホテルサンルート五所川原に投宿し、温泉と津軽御膳の夕食を、ゆっくりと。

 

名物、ストーブ列車の旅

      
                  ホテルから見る五所川原の町と津軽の名峰、岩木山(1月24日朝)

  1月24日朝、かねてより番長のご希望だった、津軽鉄道ストーブ列車の旅を体験します。この津軽鉄道線は私鉄であり、JR東のフリー切符は使えないので、別途切符を購入します。金木までの片道550円+ストーブ列車料金400円。

       
         ストーブ列車に乗る津軽五所川原駅                  待合室と切符売り場は昭和の雰囲気そのもの

  JR駅に隣接する津軽鉄道の「津軽五所川原駅」は、待合室に入った瞬間、溜め息が出ました。ああ、懐かしい昭和中期そのもの。まだこんな雰囲気の駅舎があるんだあ...。

  
          切符は、今では珍しい硬券!

     
          待望のストーブ列車車両が入線                 この気動車(普通座席)がストーブ車両を牽引します

  さて、念願のストーブ列車ですが、五所川原9:21発、津軽中里行に乗ります。でも、このストーブ列車、そもそも、昔は地元民の憩いの場だったのでしょうが、今ではすっかり観光客用のイベント車両のようです。だって、乗車券の他に400円のストーブ列車料金が必要ですから、わざわざ追加料金を払って乗る地元の人は、居ないでしょう。ストーブ列車は、津軽中里との間に、冬季の週末に一日3往復走っていますが、ちゃんと別に普通車両(もちろん暖房付)があります。というよりも、ストーブ車両は、動力の無い旧式の客車なので、先頭には、その客車を引張る気動車が必要。太宰治の小説のタイトル「走れメロス」なんてヘッドマーク付で、なかなか凛々しい。

    
       石炭ストーブ傍の席をゲットしました                        超懐かしいオンボロ車両

  客車内に入ると、乗車前の高揚した気持とは裏腹に、まあ、血圧がス〜ッと下がって、懐かしさで涙腺がゆるみそう...。車両内に2基ある石炭ストーブが、既に燃え盛っていて、電気暖房とは全く異種のぬくもりを感じます。今の若者が見たら、「きったねえ!オンボロ!」と思うかもしれませんが、私には、思い切り郷愁をかき立てられ、はるか昔に亡くなった祖父母に、半世紀ぶりに再会したよう。私が子供の頃に郷里で走っていた列車には、石炭ストーブはありませんでしたが、オンボロ客車は、レトロな想い出そのものです。我々は、幸運にも、石炭ストーブ傍の席をゲットしました。乗客は、ほとんどが、中高年の観光客。

    
  ストーブ列車車内には、愛想の良い売り子のお姉さんが乗車             車掌が石炭をときどき補充します

  9:21、定刻に列車は五所川原駅を発車。モーター(動力)の無い客車なので、静かで、カタンコトンと、わだちの音も、車両のきしむ音も、耳に心地よく、雪の津軽平野をゆっくり走る。でも、乗車時間は短いんです。太宰治のふるさとである金木までは25分、終点の津軽中里まででも、40分強。

     
        お姉さんから買ったスルメを焼きます                   スルメ焼いたら、やっぱりコレは欲しい

  短時間の乗車とはいえ、はるばる埼玉県からやって来たんです。津軽情緒は、しっかりと味わいたい。津軽の方言でお客に愛想をふりまく、売り子のお姉さんから、地酒と名物のスルメ(\350)を買って、ストーブで焼いて味わいましょう。売り子のお姉さんは、スルメを焼くサービスも提供します。お姉さんが言うには、スルメを焼く臭いは、連結している一般車両にも流れていくようで、地元の高校生達は、「うわ、なんだべこれ、くっせえ〜!」と顔をしかめるのだそうな

    
                 雪の津軽平野を、ゆっくりと走る。吉幾三さんの演歌の世界ですね...

  できることなら、こんなストーブ列車の旅は、1時間くらい楽しみたいもの。しかし、短いローカル私鉄ですから、しかたありません。でも、この津軽鉄道の取り組みは、少子高齢化が進む日本のローカル鉄道が生き残るための、素晴らしいアイディアではないか。沿線人口の少ない地元民の足として、利用客の増加は望めない。それならば、その「演歌の世界」に出てくるようなローカル情緒や郷愁を売り物にして、都会から客を呼び込むなんて、心にくい。駅でも、車内でも、記念グッズを、驚くほど豊富に取り揃えています。

     
     金木に来たらぜひ訪れたい太宰治の生家「斜陽館」      五所川原は立佞武多(たちねぶた)の名所です(JR駅ホームにて)

  今は、なにかと、けた違いの豪華さを売り物にした寝台客車の旅なんかが流行で、超高額料金にも関わらず、入手が極めて困難なプラチナチケットだとか。私には永遠に縁の無い世界です。そんなバブル的な豪華旅行など、ちっとも羨ましくもないが、こんな、なつかしい、郷愁を感じる、素朴な汽車旅に魅力を感じ、涙腺がウルウルするのは、やはりトシとった証拠なんでしょうね。■


続き: 山形新幹線「とれいゆつばさ」の旅

ご参考リンク

リゾートしらかみの旅(JR東日本)
2009年、私自身の「リゾートしらかみ」乗車体験記
津軽鉄道ホームページ
五所川原市ホームページ
太宰治記念館【斜陽館】
立佞武多の館(五所川原市)


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