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Data No. 204 |
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岩手 鞍掛山
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「うわっ!凄〜くいいなあ...!」 雄大な南部富士、岩手山を真正面に拝める山頂で、盛岡市郊外の滝沢村にあり、麓から1時間半程度登れば、この素晴らしい景色が見られるという。そしてバッジも登山口で販売しているとの情報を得て、機会を狙っていたものだ。 梅雨の最中のみちのく旅行で 今回は、JR東日本がじじばば会員限定で発売する激安4日間乗り放題切符を手にし、前半は新潟を起点とするリゾート列車の旅を楽しみ、後半の2日間を盛岡と青森を探訪しようと計画した。 6月18日の朝8:00、盛岡でSクラスの駅レンタカーを借り、滝沢村を目指す。盛岡に着いた昨日は、青空も広がり、岩手山も夕日にシルエットに浮かんでいたが、この日は曇り時々晴れの予報。しかし、雲は意外と厚くて、山は見えない。 登山口の「相の沢キャンプ場」には、8:50に到着。平日なのに、結構ハイカーの姿は多い。登山口には「自然情報センター」の建物があり、そこで早速バッジを購入し、地図をもらう。お話好きの熟年男性係員がいて、親切にアドバイスをいただいた。そして埼玉県から来たと伝えると、ひどく驚かれた。まあ、そうでしょう、普通に考えれば、首都圏の人間が「わざわざ」登りに来る山ではないかも。奥武蔵の低山で、大阪から来た、北海道から来た、と言われたら、私も驚くかな。 快適な山道をたどって 山頂への道は明瞭だ。要所に標識がある。新緑がまぶしい森の中を、なるべく足音を立てて歩く。というのは、「クマに注意」という立て札があったので、情報センターのおじさんに「クマはよく出るんですか?」と尋ねたところ、「まあ、居るかもしれないが、今日は人も入っているから...」というお返事。安心して良いのか悪いのか...。 今日は生憎、青空は広がりそうも無い雰囲気だ。でも、僅かな望みを持って山頂を目指す。登山道は、途中で林道から右にそれると、やや急な登り道になるが、木の根や岩が足をとるような箇所も無く、土の上を安心して歩ける。しかし、だからなのか、足音が立たないのが、やや不安をつのらせたが、途中で数組の熟年夫妻やグループを追い越したり、すれ違ったので、クマも今日は遠慮してくれるだろう。 山頂に近付くにつれて、ツツジやタニウツギのピンクの花が登山道脇を彩るようになる。 期待の山頂は残念ながら... 今日はレンタカー利用なので、時間を有効に使いたい。それでかなり早足で歩いた成果が出て、約1時間で鞍掛山山頂にたどり着いた。期待していた岩手山の展望は、残念ながら厚い雲に閉ざされていて見ることが出来なかった。しかし、岩手山の山体の巨大さには感動した。岩手山が母親ならば、この今立っている鞍掛山は、まるで赤ん坊程度の大きさか...。 晴れていた場合の景色を、想像しながら、しばし休憩しよう。山頂では、途中で追い越した中年女性のグループから、みかん、冷えたリンゴ、ドライフルーツなどを、次から次にいただいた。今日は山頂で「ゆっくりしない」予定だったので、私も飲物以外は持参しなかった。だから、とても美味しく、ありがたく頂だいした。関東近辺の山では、なかなか体験できないみちのくの人々の親切さがうれしい。 10分程度の山頂滞在にて、下山にかかる。下山は、より距離の短いコースをとる。これも登山道以上によく整備された歩き易い道だった。約50分で帰着。すぐ近くにある相の沢温泉お山の湯で、山の汗を流す。 その後、八幡平での湯巡りへ向かう道中、この鞍掛山と岩手山が、左手に眺められる。山頂に立っていた時よりも、雲は少し薄くなってきたようだ。期待していたあの風景は得られなかったが、私はあの両方の山頂に立つことができた。鞍掛山は岩手山の巨大さ、雄大さを引き立て、岩手山は、赤ちゃん(鞍掛山)をあやして寝かせようとしている優しい母親のよう。ちょうどそんな、ほほえましい感じの、のどかな岩手のふるさと風景に、天気がいまひとつ優れなかったことなど忘れて、私は内心すっかり満足した。■
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