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Data No. BT_13

旅行日: 2011年1月17日〜19日

地域: 青森県、青森市とその周辺

同行者: ひとり旅

 

東北新幹線全線開通

真冬の「熱い」青森へ  

 



「はやて」で颯爽と新青森へ!

  
      早朝の東京駅で出発を待つ「はやて11号」              行先表示の「新青森」の文字が誇らしげ!
 

  1月17日早朝6:28に東京駅を発車した、中高年の乗客らで満席の新青森行き東北新幹線、「はやて11号」は、厳冬のみちのくの雪景色の中を、痛快なスピードでバンバン飛ばし、あっという間に先月開業したばかりの新青森駅のホームに滑り込んだ。本当に青森は近くなったことを、快適な道中の感動とともに喜んだ。

  と、書きたかったのですが、そうなりませんでした。2日前(1月15日)にも4時間以上も全線が不通になるシステムトラブルがあったが、この日も福島駅を通過する直前に、ポイント故障というアナウンスでしばらく停車し、それが解決したかに思えて仙台駅に到着したら、信号トラブルの修復のためという理由で、しばらく停車。結局、1時間半遅れで東京駅から5時間をかけて新青森に到着した。新幹線が開通する前よりも、よっぽど遅いじゃん!でも、じじばば用激安切符で旅行しているので、あまり文句はたれるまい...。2日前の4時間以上の不通に比べれば、マシである。

  なにはともあれ、2010年12月4日に開業した八戸〜新青森間の東北新幹線初乗り旅行は、こんな風に始まった。

  予定では、新青森駅を1時間ほど見物してから、青函トンネルをくぐって、函館に渡るはずだったが、新青森駅に到着すると、函館行特急に席を確保するために、大勢の乗客が殺気立って乗換え口に小走りするので、新しい駅の見物どころではなかった。函館行き特急は普通車を全部自由席扱いという臨時措置で、なんとかほとんどの乗客が着席して発車した。私は「はやて」以外は指定席をとらず、柔軟なスケジュールなので被害は少なかったが、予約した観光バスや連絡列車に間に合わず、予定の狂った人々は大勢居たはずだ。

  この初日は、函館から更にローカル列車を利用して、大沼公園近くの温泉宿に泊まったのだが、今回のレポは、青森が主役なので、詳細は割愛します。

         
                     この日は、渡島駒ヶ岳を眺められる温泉でリラックス


厳冬の十和田湖畔温泉でリラックス

  翌18日昼、青函トンネルをくぐって青森に舞い戻り、13:30に駅前から出る無料送迎バスで、十和田湖に向かう。1年前に訪れた秘湯、谷地温泉と同じ伊東園グループである十和田湖グランドホテルに泊まるのだ。バスは八甲田山の麓を巻く、雪の壁の道を縫うように走り、先ずは谷地温泉で客を降ろしてから、十和田湖へ向かう。(昨年の谷地温泉探訪記は、こちら。)

  
       途中の谷地温泉は氷の中に佇んでいた               奥入瀬川の流れに沿ってバスは行く

  
        十和田湖も寒々とした表情だ                   午後4時過ぎ、やっと十和田湖畔の宿到着

  当地は、吹雪が完全に視界を閉ざしたかと思うと、急に遠くの山まで見えるほど晴れ上がったり、天気がめまぐるしく変わる。故郷の越後ではあまり体験したことの無い気象だ。北国の雪は乾いているので、風に飛ばされやすいのか。雪の壁に両側を囲まれ、見通しの利かない圧雪の道路を走ってゆくが、当地の運転手は慣れたもの。快適に暖房の利いたバスの中で車窓を楽しんだ。十和田湖グランドホテルには、青森駅から丸々2時間半もかかった。

  こんな真冬、もう暖かい宿に入ってしまえば、天国だ。青森駅からの無料送迎バス付(路線バスだと片道3,000円もかかる!)、2食付で夕食時はお酒飲み放題、お一人様大歓迎で、365日同一料金の5,950円(入湯税込)という超激安の宿だが、十和田湖畔の一等地にある元は立派なホテルを伊東園が買い取ったものらしい。コストを見直せば、これだけ安くできるという良い見本だ。

    
         部屋は清潔で快適                          夕食はバイキングでお酒飲み放題!

  部屋も温泉も申し分なく、夕食と朝食はバイキングで、決して高級食材は使っていないが、この値段でケチをつけたらバチが当たるだろう。生ビールをグラス3杯、ウィスキーハイボールを2杯いただき、しっかり食べて、寝る前に大浴場で体重を計ったら、当然のことながら (;^_^;)>でしたね。
 

「熱気」のある青森の街

  翌19日もゆっくり9:50出発の送迎バスに乗り、正午過ぎに青森駅帰着。青森駅は新幹線の発着する「新青森駅」からは一駅離れたところだが、平日の昼間にもかかわらず、大勢の観光客でにぎわっていた。駅前広場に面したところには、「ねぶたの家、ワ・ラッセ」という有名な「ねぶた祭り」を体感できる資料館が、つい最近完成したので、600円を払って入場してみる。

  東北の夏祭りはいろいろあるが、混雑する季節なので、どれも私は実際に見たことはない。しかし、もしチャンスが与えられれば、一番見たいのは青森の「ねぶた祭り」だ。館内に入り、スロープを登ってゆくと、巨大な色鮮やかな5体のねぶたが、大迫力で見渡せる。

  

  

  
           これで大きさが分かりますね?                  大迫力にしばらく見惚れます

   
        駅前広場に面した「ワ・ラッセ」                        青森駅は旅行客でにぎやかだ

  ねぶたは、それ自体が素晴らしい芸術品である。夏の祭り本番の活気や熱気を、ここで感じることはできないが、実にカラフルで精巧に作られた武者達のおどろおどろしい形相を眺めていると、別世界に引きずり込まれて行くようだ。ここは、青森に来る機会があれば、ぜひオススメしたい新スポットです。

  ワ・ラッセのすぐ裏には、A-Factory という物産館兼グルメスポットも新幹線開業に合わせてオープンした。

  青森には、もう両手では数え切れないほど来たと思う。青函連絡船も2回往復した。昭和63年の青函トンネル開通時に連絡船は廃止され、もう23年が経過したのだが、昔の名残を眺めたくて、埠頭の近くまで散歩してみる。メモリアルシップ八甲田丸が資料館として港に浮かぶ。
 

  
      連絡船八甲田丸は今は資料館(入館500円)         ホームから連絡船への連絡橋は、今はホームから入れない

  
   もう、こんな長いホームを使用する長大編成列車は来ない           なんだか、とっても懐かしく恋しい
   

  19日の午後は、市内で駅から近い日帰り温泉を2箇所探訪した。どれも早朝から夜まで無休で営業しており、400円程度で入れて、設備も立派だ。外は粉雪が吹雪く寒さ、館内は常夏のパラダイスだ。湯加減も、普通の銭湯の様に熱くなくて、ちょうど良い(すなわち、ややぬるめ)。

  
        小柳駅近くの「こやなぎ温泉」(400円)                 東青森駅近くの「つくだ温泉」(390円)

 

モダンで瀟洒な新青森駅から帰途につく

  そうこうしているうちに、いよいよ帰りの列車の時間が近づき、青森駅ビルの飲食店で作りたての温かい弁当を買い、新青森駅に向かう。駅弁は値段が高くて冷めているので、あまり好きではないのです。青森駅と新青森駅の間は、新幹線利用客の便宜を図るため、乗車券のみで特急列車にも乗ることができる。これは気の利いたサービスだ。

  
      在来線ホームから見上げる新幹線駅                  新青森駅前は、まだ何も無い

       
             駅舎の中は、飲食店や土産物屋がたくさんあって、にぎやか

  新青森駅は素晴らしく、堂々たる立派な駅舎で、青森駅から奥羽本線でひとつめの駅だ。約5kmか。駅前にはまだほとんど何も無くて、人気も無い。しかし、新幹線の駅舎内は、たくさんの飲食店や土産物屋があって、これは見ているだけで楽しい。

  青森土産といえば、りんごと、りんごを使ったお菓子、そして海産物でしょう。真新しい駅舎内の店は、どれも新鮮で、なんでも美味しそうに見えるもの。つい、予定外の出費でお菓子を買いたくなってしまいます。

  
       新青森駅で発車を待つ東京行「はやて」               帰路は、極めて快適・スムースな道中でした

  そして、いよいよ17:12発東京行き「はやて36号」に乗車。今度こそ、ちゃんと走ってね...。

  この列車、途中は盛岡と仙台にのみ停車し、大宮まで2時間58分で着く。快調にバンバンぶっとばし、粉雪を窓の外に巻き上げながら、夜のみちのくを疾走した。ただ、盛岡駅で秋田からの「こまち」と連結するための6分間停車が、やはり新幹線としては、もったいない。今は最短で、東京−新青森間が3時間20分だが、3月からは新型車両で時速300キロの「はやぶさ」が登場し、近い将来は最高時速320キロで3時間5分にまで短縮されるという。それも大いに楽しみだ。

  新幹線が青森まで延びたことは本当にうれしい。青森まで延びてこそ「東北新幹線」なのだ。2015年には新函館へも伸びる。期間限定の激安じじばば切符の発売時期でもなければ、そうは簡単に来れないが、汽車旅大好きの私は、ぜひまた、近いうちの再訪を果たしたい。■


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