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Data No. 205


Data: 
米山(よねやま)
 登頂日: 2012年10月26日
 地域: 新潟県 中越・上越 
 標高: 993m    天候: 薄曇り
 同行者: 単独行 

櫛形 大峰山(おおみねやま)
 登頂日: 2012年10月27日
 地域: 新潟県 下越、櫛形連峰
 標高: 400m   天候: 快晴
 同行者: 旧級友らと5名で


ふるさと越後の低山探訪
 

大海原が眼下の 米山
 

櫛形連峰 大峰山

 



越後の米山 - いつも見るだけだった名山に

  米山
(よねやま)は、標高が1,000mを欠ける山であるが、郷里への道すがら、低山連なる魚沼丘陵から柏崎市へかけての山並みの中に、ひときわ高く見える独立峰だ。でも、深田久弥氏から「日本百名山」に選ばれるほどの風采も持っていなかったゆえ、他地方の人々には知られれていない。「米山さんから雲が出た」の三階節は、聞いたことのある人は多いかも。米山は、それでも「日本三百名山」には選ばれている。私自身も、このトシになっての初探訪だ。

       
            柏崎市、恋人岬付近からの米山と国道8号線の米山大橋 (登山ガイド.com より借用の写真)
 

  Wikipedia によると、
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米山
(よねやま)は、新潟県中越地方上越地方との境に位置する山である。標高992.5m。きれいな四角錐(ピラミッド型)の頂上部をもつ山容はよく目立ち、古くから海上交通の目印ともされた。かつては、新潟県を米山で分割して、米山以東が「下越後」、米山以西が「上越後」と呼ばれていた時期もあった。江戸時代に北陸道が再整備された時には、米山麓の米山峠には鉢崎関が設置され、出雲崎佐渡島に向かう旅客を取り締まっていた
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天気予報に裏切られ...

  「乾いた秋晴れで、行楽日和でしょう」という予報を信じてやってきたが、10月26日の朝は、天気さえ良ければ、もう下山している時間ともくろんでいた、朝の9時前まで雨が降ったり止んだりを繰り返した。しかも大平コース林道の終点まで車で行って、短時間での速攻登山を計画していたのに、林道は一般車通行止めで、フルコースを歩く羽目に。悪天候下では、もう山歩きはしないと決めている私は、よほど諦めて帰ろうかと思った。

   
   もっと良い天気のはずだったのに(大平集落への途中で)             大平コース登山口を9:15出発

  しかし、ガソリン代高騰の今、大メシ喰らいの愛車を、ここまで延々とドライブしてきた苦労が水の泡になる。そうしたら、もう来年までチャンスは無い。空も西側から次第に明るさが増してきたし、じゃあ、頑張ってみるか、ということで、9:15にクマ鈴を鳴らしながら出発。
 

低山ながらも、きつい登り

  登山口を出発して20分ほどで、尾根伝いの道になる。道は良く整備されていて、雨上りなのに、ぬかるみも少なく、階段状になっているところが多い。しかし、なんだか苦しい。というのは、階段状にしなければ登れない急斜面だからなのだ。標高が山の名前になっている「711米峰」まで、雑木林の中の傾斜はほとんど緩まなかった。

    
              急傾斜の山道をあえぎながら登って行く。けっこうキツイ!

    
                    紅葉のきれいな、711米峰付近から仰ぐ米山山頂

  苦しい登りを慰めてくれるのは、カラフルな秋色に染まった山肌と、回復しつつある空模様だ。711米峰から一旦、深い鞍部にもったいないほど下らされるのかと危惧した登山道は、幸い、そこそこで、再び登り傾斜に転じてくれた。

    
                       ハッと目を惹くブナ巨木の林

        岩の文字にも励まされて...

 

日本海の大海原を見下ろす山頂

  左下には、当初車で走る予定だった林道が見えていたが、その終点から始まる「楽な」登山道との合流点を過ぎ、やがて本峰の登りとなる。本峰の登りも、かなり急できついものだったが、やがて頭上が明るくなり、標高993mの米山山頂に到着した。2階建ての無人小屋があり、山頂には米山薬師堂が鎮座する。参拝と記念撮影後、周囲の風景を楽しもう。

   
         
標高993mの米山山頂にて 10:45                    山頂に鎮座する米山薬師堂

  北側には日本海の海岸線と柏崎市街、そして柏崎刈羽原発が見下ろせる。西側は直江津方面だ。残念ながら、佐渡島や北アルプスの遠望は得られない。

  米山からの山肌は、日本海へ、ほぼ真っ直ぐに降りていて、新潟平野のある「下越後」と、高田平野のある「上越後」を、はっきりと区切っている。関所を設けるには、他に抜け道も無く、都合の良い場所だったに違いない。

  
             日本海、柏崎市街と柏崎刈羽原発が見える

   
     立派な山頂の無人小屋と直江津方面の海岸線               南西の信州方面の展望はいまひとつ

  誰も居ないと思っていた山頂では、薬師堂の裏側に、若い男性がひっそりと佇んでいた。邪魔をしないよう、私は景色を堪能後、寒いので、山頂小屋に入って休憩する。しかし、まあ、驚いた。無人小屋なのに、床はぴかぴかで、チリひとつ落ちていない。一体誰がこんなに、きれいに管理しているのだろう。

    
                  遠望は期待外れでも、絶頂を迎えた山肌のカラフルさは心に染みる

  きれいな小屋の中で、感動しながらブランチを兼ねた祝杯を上げ、往路を戻る。期待した好天には恵まれなかったものの、私は満足だった。何十年もの間、何度も眺めてきただけの、ふるさとの名山に登頂できた喜びは、とても大きなものであった。これからは、この山頂に立ったことを「思い出」として、「記憶」として、眺められるのだから。■


米山登山行程:

2012年10月25日〜26日
入間22:40 ===(関越道、R17、R252)=== 柏崎 ==R8== 3:30 国道8号、米山海岸駐車場(車中仮眠)
米山海岸 8:30 === 大平集落 == 9:00
林道ゲート(大平登山口)9:15 === 10:00 711米峰 === 10:45 米山頂上(993m) 11:05 ==(往路を下山)== 12:05登山口帰着 12:10 === 柿崎 === 13:30 松之山湯田温泉ゆのしま 14:00 === 14:25 十日町

 

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新潟の奥庭、櫛形山脈 
大峰山ハイキング

  米山に登頂した翌日、郷里の旧友らと、温泉保養所での一泊旅行を兼ねて、新発田市の郊外にある大峰山(おおみねやま)をピクニック気分で登る。櫛形山脈と大峰山は、Wikipediaによると、

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櫛形山脈(くしがたさんみゃく)は、新潟県胎内市から新発田市にかけての山脈。南北約14kmしかない日本一小規模な山脈であり、最高峰は櫛形山の標高568m。ハイキングコースが尾根全体で整備されているため比較的簡単に縦走でき、近隣の小中学校等の遠足や軽いトレッキングを楽しむ人も多い。最北の鳥坂山(とっさかやま)には鎌倉時代から戦国時代にかけて鳥坂城があり、現在も堀切等の遺構が残る。
大峰山は、標高399.5m。橡平(くぬぎだいら)さくら樹林として国の天然記念物に指定されている。
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  今回も、この春に花の角田山ハイキングを計画してくれたKO君に、ハイキングコースの選定や、保養所の手配など、すべてお願いしての行楽旅行だ。

  歩いたコースは下記の地図Bの登山口から、Eの山頂まで、片道1時間弱の往復。

     
                 大峰山の概念図(麓にある蕎麦屋さんのホームページより)

   この山のより詳しい情報は、上記の蕎麦屋さんのホームページ等を参照されたい。

  
            歩き易いハイキングコース                        秋の山を愛でながら

   
             ススキの穂と日本海の海原を見て

                
                        彼方には粟島(あわしま)が蜃気楼のように浮かぶ

   
        雑木林の中の大峰山頂上(399.5m)                     聖籠町から新潟東港方面を見る
 

  好天に恵まれてのハイキングは、温泉で宴会する前の、心地よい汗かき運動だった。下山後、KO君勤務先が所有する月岡温泉保養所では、貸切の隠れ家風情を楽しみ、SI君の奥さんが腕をふるった美味しい手料理と美酒で、大いに盛り上がったことは、言うまでもない。■

 

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