Data No. 202 |
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角田山(かくだやま) | |
そんな越後の国なので、標高が482mと低い角田山(かくだやま)とはいえ、花が本当に咲いているのかしらん?と、半信半疑で、旧友KO君おススメのハイキングコースに、昔の級友5名で繰り出した。 角田山といっても、地元以外では聞いたことも無い人が大半だと思うが、弥彦山(やひこやま)の隣にある、花の名所の低山です。以下、ウィキペディアからの抜粋: 「越後平野の日本海側に位置し、弥彦山から連なる弥彦山脈の中では最も北に位置する。弥彦山脈の一連の山と共に佐渡弥彦米山国定公園の一角を成す。登山口は7箇所。越後七浦シーサイドラインが開通してからは、海側から登ることができる選択肢が増えた。子供や年配者でも比較的容易に登ることができることもあり、登山者は多い。近郊の小学校の遠足や登山にもしばしば利用される。山頂は草木が生い茂っており、広々としている。春には雪割草やカタクリ等、夏にはスカシユリ、サラシナショウマ等の花が楽しめる。」 私自身にも全く初めての山だ。ここは、地元のKO君の案内に頼ろう。本来は前日の土曜日に山を登り、その夜はKO君がとってくれた月岡温泉の保養所で大宴会し、ゆっくり日曜日に帰宅予定だったが、土曜日は雨で、日曜日は快晴の予報だった。それで急遽、登山は日曜日に変更した。前夜の宴会で、しこたま酒を楽しみ、温泉もしっかりと堪能したお陰で、登山口の出発は昼近い時間となった。これも、快晴の約束された低山ならでは許されること。 可憐な雪割草、カタクリの妖精群れ飛ぶ山道 登山口の駐車場を出発してほどなく、KO君が早速、「これが雪割草だよ」と地面を指差す。目をやると、6枚の花弁をまとった小さな花がそこここに咲いている。花は一色だけではない。白、ピンク、青、ミックスなど、派手に自己主張しない可憐な姿だ。私自身も、鉢植え以外では、初めてその野生の姿を見て、大いに感動した。 雪割草は、生命力が旺盛で大群落を形成するわけでもなく、地元の人々が、丹精をこめて大切に保存してきたものだという。この雪国越後で、待ちわびた春を彩る、可憐でひそやかな花として、末永く大事にしていきたいもの。 雪割草の見られるのは、このコースでは、登山口付近の、限られた範囲だ。 しばし山道を登ってゆくと、今度我々の眼に入ったのは、山の斜面を赤紫色に染めるカタクリの大群落だ。私自身にとって、カタクリは珍しい花ではない。栃木の三毳山(みかもやま)でも、奥武蔵でも、早春にはいたるところで見られる花だ。しかし、ここのカタクリは中途半端ではなかった。 関東で見慣れたカタクリの花よりも、色が濃いようだ。そして、その群落の規模が中途半端ではない。登山道の両側の森の地面が、これでもか、これでもか、というように赤紫色に染まっていて、小さな妖精たちが群れ遊んでいるよう。それが、どこまでも、ずっと続いた。しかし、自分の目で見た感動は、写真技術の稚拙な私のカメラでは、上手く伝わらない。実際、こんなもんじゃなかった筈だ、とガッカリしています。 また、登山道の脇には、注意してみていると、イチゲやショウジョウバカマ等の花も、遠慮深く、ひっそりと咲いている。 KO君が選んでくれた五ヶ峠コースは、数あるこの山の登山コースの中では、距離が長いものの、初心者には一番歩き易いコースだという。幾度か、下りと登り返しが繰り返されるものの、総じて登りの傾斜は緩く、激しく息を切らせながら登るような箇所は少ない。樹間からは、右手に新潟平野の穀倉地帯、左手には日本海と佐渡島が見えるが、冬枯れの今だけの展望で、樹木が茂ってきたら、全く展望は無くなりそうなルートだ。 広い山頂でパラダイス気分 約1時間半の、花を愛でながらのハイキングルートは、山頂近くなると、固い残雪の上を歩くようになる。雪解けのぬかるみにも注意が必要だ。 13:15、標高481.7mの角田山山頂に到着。山頂は芝生の広場になっていて、大勢のハイカーが休憩していた。避難小屋もある。残雪で地面が濡れていない場所を探して、ランチタイムとしよう。案内してくれたKO君は、用事があるというので、とんぼ返りの下山。忙しかったのに、初心者向けの「ゆっくり登山」で、じれったかったことと察しますが、みんなの面倒をみてもらい、大いに恐縮+感謝です。
さて、山頂からの展望はと言うと、ほとんど見えないと言って差し支えないだろう。今は冬枯れなので、樹木の枝の隙間から、日本海と佐渡島、そして新潟平野が「覗ける」状態だが、樹木が茂ってしまったら、全く何も見えない山頂になりそう。 でも、景色が見えなくても、なんだかのんびり・ゆったり気分を満喫できる、快適な山頂公園だ。角田山には多くの登山ルートがあり、海側からのコースでは大展望を楽しめながら歩けるコースもあるらしい。また、コースによって、見られる花が異なるのも、リピーターが多いゆえんだという。 我々が今日歩いた五ヶ峠コースでは、途中で一箇所だけ、日本海と佐渡島がきれいに見える地点があった。海の彼方に、まだ真っ白な残雪を戴いている山は、標高1,172mの金北山(きんぽくさん)で、弥彦山や角田山よりもずっと高い。 山頂で1時間余りを過ごした後の下山は、もうKO君のガイド無しで歩かねばならない。コースの分岐点にはしっかりと道標があるので、安心だ。今回のハイキングのために、初心者のHH君と、YY女史は、靴・ストック・ザック・雨具などを新調して挑戦した。その初めてのハイキングは、天候に恵まれ、花に恵まれ、山頂での美味しいランチを楽しめて、大満足だったようだ。特に、YY女史は帰路、ずっとハイテンションだった。■
角田山ハイキング行程: | |
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