Data No. 199 |
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尾瀬、燧ケ岳 (3度目の正直で最高点、柴安ーに!) |
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気味悪いほど人気の少なかった尾瀬 3月の大震災と原発事故による風評被害、それに加えて一週間前に発生した新潟・福島豪雨災害の影響で、尾瀬の人出は、びっくりするほど少なかった。土曜日夜の御池駐車場は、せいぜい敷地の1割程度しか埋まっていない。そのため、到着後、満天の星空を眺めながら、テントの外でのビールタイムは、周囲を気にせずに楽しめた。 翌朝、日曜日早朝の沼山峠休憩所行シャトルバスは、5時に始発便が出た後、次便は5:30となっていたが、6:00丁度に我々5人が支度を整えて乗車するまで発車せず、先に乗車していた二人連れは、相当待ちぼうけを喰わされたようだ。これまで、盛夏の尾瀬では考えられなかった現象だ。 シャトルバスの終点である沼山峠休憩所も、バスから降りた我々の他には人影が無く、耳鳴りがするほどの静けさに包まれていた。6:20、無人の休憩所を出発。尾瀬沼を目指す。 ニッコウキスゲの花期が終わり、目立つ花の少ない大江湿原を経て、約1時間で到着した尾瀬沼畔の長蔵小屋で小休止。ここでも、幾つかのグループがいたが、例年の人出とは全く比べものにならない。
長蔵小屋で休憩後、尾瀬沼を反時計回りに少々歩き、分岐点から長英新道を登る。前半は、ほとんど目立つ登りの無い湿った森の中を歩き、小一時間もしてから、ようやく本格的な登りになる。それも、風が全く当たらない深い森の中で、自分の顔や頭の周囲を、沢山のアブが、やかましく、しつこくブンブン飛び回る。このルートを登るのは2度目だが、前回は秋だったので、印象が大分違う。
バテ気味の皆さんの栄養補給のため、途中でコーヒータイムをとり、展望が開けたミノブチ岳でも、休憩。ここからは、俎ーがもうすぐそこだ。私の目算では、あと30分だったが、皆さんは信じない。絶対に1時間はかかりそうだと仰る。 実際には私の足で30分弱、皆さんの足でも40分程度で山頂に到着したはずだ。この俎ーの登りの途中で、皆さんから、柴安ーのギブアップ宣言が出た。柴安ーは、私だけがひとりで行って来い、自分達は俎ーで待っているから、と。皆さんのこれまでの体力消耗具合から言って、その方が良いかな、と判断した私は、この際、そうさせていただこう。 念願の燧ケ岳最高点に立つ! 俎ーの登りの途中で、皆さんと一旦別れた私は、逆に皆さんをあまり待たせてはいけないと思い、俄然ピッチを上げた(つもりだが)、トシのせいか、若かりし頃のようには時間を短縮できない。俎ーの山頂にリュックサックをデポし、岩だらけの斜面を一旦左方向に下る。鞍部にはミニ湿原があり、木道もあった。そしてそこから、同じくらいの斜面を柴安ーに登り返す。身軽とはいえ、ゼイゼイハアハアの息遣いだ。 そして、11:35、念願の燧ケ岳最高地点、柴安ー(しばやすくら、2,356m)に立った。3度目の挑戦で、初めて実現した正真正銘の燧ケ岳絶頂到達である。感慨ひとしおだ。この山頂は、俎ーよりも広く、数人のハイカーが思い思いの方向を向いて休んでいた。山頂は薄いガスにまかれていたが、時々周囲の展望も開ける。尾瀬ヶ原が、まさしく緑のカーペットのように足元に広がる。あのグリーンパラダイスから、何度この自分の立っている山頂を眺めたことだろう。 至福の山頂でのひととき 山頂標識に感謝の手を合わせ、しっかり記念証拠写真を撮って、皆さんの待つ俎ーへ引き返す。実はもうバテバテだったが、見栄を張り、無理をして涼しげな顔で、「エヘン!」と俎ーにたどり着くと、皆さんが「え、もう行って来たのか?」と驚いた。皆さんの山頂到着は、ほんの少し前だったらしい。 この俎ー(まないたぐら、2,346m)も燧ケ岳の山頂であることに変りはない。全員が揃った頃から、ますます展望が広がりだした。足元には尾瀬沼が、箱庭のような佇まいを見せ、周囲の山々は、おしなべて角の取れた優しい山容だ。東北以北の最高峰に登頂したことは、皆さんにも誇らしく、晴れがましく、嬉しいことに違いない。まだ、これからやや厳しい下山が待っているので、FKさん、FMさんとで軽い祝杯をあげる。(T夫妻は、ほとんどお酒を飲まない。) 下山もハッピー! 山頂でのパノラマを堪能後、下山は御池へ直接下るルートをとる。足元には、中腹の熊沢田代湿原と、御池駐車場も見えていた。見えていると近く感じるものだが、歩いてみると、ウンザリするほど長い時間がかかるものだ。 12:15、下山開始。慎重に慎重に 山頂からは、しばし岩がゴロゴロしたくぼ地の急斜面を下る。これが結構長い。途中からは、穏やかな熊沢田代湿原が見えているが、なかなかたどり着かない。いい加減、まだかと飽きてきた頃に、ようやく傾斜がゆるくなり、我々の他には人っ子一人いない熊沢田代の真っ只中に飛び出す。 この熊沢田代湿原の真ん中にあるベンチで、山頂では、はばかった、腹ごしらえ。そして、FKさんが下山後の運転を引き受けてくれるというので、FMさんとしっかりワインもいただいた。 車のハンドルを握らなくて良いという開放感は、その後の辛い下山もハッピーなものにした。ほろ酔い気分で、しかし、岩だらけの急斜面の下りには細心の注意を払い、のん兵衛二人だけが最後尾をゆっくりと下った。 終点が間近になった頃、遠雷の音が聞こえた。そして、15:30過ぎ、御池駐車場に全員が帰着した後、それを待っていてくれたかのように、雨が降り出した。お天道様、本当にありがとう。 その夜は、桧枝岐(ひのえまた)温泉の温泉付民宿にのんびりと宿泊し、美味しい料理と美酒を楽しんで、ゆっくりと静養。同行した皆さん、燧ケ岳登頂おめでとう!お疲れ様でした。そして、私自身にも、3度目にしての、燧ケ岳最高点登頂、おめでとう!! 豪雨災害の凄まじさに合掌して帰京 帰路に、当初は、只見町からR252を小出に出るか、奥只見湖を見物でもしたかったのだが、1週間前の豪雨災害で、そのルートは寸断されていて、塩原経由の同じ道を戻るしかなかった。往路は夜で何も見えなかったが、帰路は日中だったので、その豪雨災害の凄まじさに本当に驚いた。いたるところで山崩れ、がけ崩れが発生していて、濁流が横切った道路はまだ泥だらけだった。新潟県の私の郷里でも、この福島県会津地方でも、甚大な被害が出て、数名の犠牲者も出た。 もしかしたら、我々のこの山行はその豪雨災害の最中に計画していたかもしれなかったので、皆さんのご都合の微妙な調整によって、その難を逃れたことに安堵すると共に、犠牲になられた人々に謹んで哀悼の意を表し、被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げ、一日も早い復興を祈りたい。■
燧ケ岳登頂ツアー行程 2011年8月6日 8月7日 8月8日 |
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