2006年5月4日(木曜) 18年ぶりに瑞牆山を再登頂
18年前は増富温泉でバスを降りてから、延々と2時間も通仙峡沿いの林道を歩いていったものだ、と昔話を吹聴しながら、今回はマイカーでスイスイと瑞牆山登山口までドライブした。まだ陽も当らず、緑もない薄暗い山肌に、はっと目を惹くように赤紫色の山ツツジが鮮やかだ。今日もこの林道を歩いている人は誰ひとり居ない。
 通仙峡に咲く山ツツジ、この写真は帰路(午後)に撮影
徒歩で2時間の距離はマイカーでは15分足らずだった。18年前の若くて元気だった我が身を思い出すと、今更ながら記憶の中でもまぶしい。登山口の金山平が近付くと、真正面に奇怪な瑞牆山の岩峰が姿を見せた。これはまさしく、童話の世界の魔王の住む山だ。2回目ながらも、本当にあのてっぺんまで登れるかな、と心配になる。
登山者で大賑わいの金山平にある、「みずがき山荘」前の駐車場を、午前7:10に出発。周囲の森はまだ新緑が芽吹かず、空が透けて見える。今回は、いつもの山仲間5人での登頂だから、退屈することはない。しかし、それにしても人出が多い。あえぎあえぎ登る山道で、人に追いついたり、どんどん後ろから追いつかれたりすると、かなり煩わしいものだ。
凡そ50分で富士見平小屋前に到着し、小休止。ここでバッジがあったらと思い小屋の入口に行ったら、管理人らしい貧相な爺さんがいぶかしげな顔で「なんか用?」と訊く。「バッジはおいてありますか?」と尋ねたら、「そんなもん無いよ」とぶっきらぼうな返答。「どこで売っていますかね?」と更に尋ねたら、「知らねえな」とのたまう。これが他人に対する口の利きかただろうか。この爺さんは自分が何様だと思って働いているのか。誰がこんな最低な男を雇っているのか。今どき勘違いも甚だしい。

奇怪な瑞牆山の岩峰 こんな不思議な巨岩が至る所に
胸のムカつきを抑えて先へ進む。登山道は一旦下りになり、天鳥川の清流を渡ってから本格的な登りになる。巨大な丸岩のそばを通過したり、尖塔のような花崗岩の巨岩を頭上に仰ぎながら急斜面を登ってゆく。岩は僧侶の後姿のようにも、鎧を纏った武士のようにも、こん棒を突き立てたようにも、想像力を働かせればいろいろなものに見える。あえぎながら登る山道は、季節になればシャクナゲがきれいに咲く場所だ。すれ違う下山途中の人が教えてくれた通り、山頂直下は残雪が凍っていて歩きにくく大渋滞していた。「アイゼンが無ければ無理」という親切なご忠告もいただいたが、なんやかやで、結局は皆さんどうにかこうにか山頂にはたどり着けたようだ。

僧侶の後姿のようにも見える岩
南アルプスは北から南まで全部見渡せる

すぐそばに聳える金峰山
八ヶ岳連峰
快晴の瑞牆山頂上に9:45に到着。約2時間半の登行だった。標高2,230mの山頂からの眺めは絶景そのもの。甲府盆地を隔てて、まだ真っ白な南アルプス連嶺は南の端まで全て見えている。富士山もひときわ大きい。北側には八ヶ岳連峰と更に奥には北アルプスの稜線も浮かぶ。すぐ隣には五丈岩を戴く金峰山の姿が圧巻だ。
無風快晴の山頂の絶景に機嫌をすっかり直してアウトドアランチをゆっくり楽しむ。久し振りの辛ラーメンが美味しい。
下山時にはNS君の持病である膝痛が出て、登りよりも時間をかけたが、午後3時頃に金山平に無事帰着。この日は、芦安温泉のいつもの宿へ泊り、クセの無い気持ちよい温泉に浸かり、美味しい夕食宴会を楽しみながら疲れを癒した。
5月5日(金曜) 軽井沢の離山に登頂
最近その存在を知った山であるが、信州百名山にも選ばれて、軽井沢別荘地のど真ん中に聳える、離山(はなれやま)という手頃な山を探訪することになった。しかし、芦安温泉から向かう途中、どういうわけか途中で道を間違えて遠回りしてしまったことに加え、連休の軽井沢は大渋滞であった。抜け道を必死で探し、別荘地の中の狭い道を登り、離山登山口に到着したのは午後1時半を回っていた。皆もやや意気消沈した様子だが、1時間もかからずに登頂できる山なので準備をして出発。
登山道は別荘地の続きのような森の中につけられた広い林道を緩く登ってゆく。車も通れるほどの道だが、登山口には車止めがあって入れない。標高の高い軽井沢という避暑地にある山であるが、この日はえらく蒸し暑い陽気だった。従って、うっとうしい狭い森の中の道を歩かずに済むのはありがたい。樹間からは軽井沢の町が覗く。新幹線の停まる軽井沢駅がひときわ大きく目立つ。
山頂直下で、ようやく通常の山道を歩くようになるが、それも僅かで、登山口から35分で、1,256mの山頂に到着した。山頂には大きな方向指示板が置いてあり、見える山の名前が出ているが、この日は晴天ながらも霞んでいて富士山など遠くの山は見えない。この山の何といっても一番の売りものは、煙を吐く浅間山が大きく正面に聳えているのが見渡せることだ。この離山自体も昔の噴火丘で、地質は溶岩石だ。標高1,256mで35分で登頂といえども、この標高は西武沿線の奥武蔵丘陵には無い標高であり、奥多摩地域の中心部の山々と肩を並べる高さだ。

別荘地の続きのような離山登山口 山頂からは煙を吐く浅間山が大きい
もうひとつ普通の山と違うのは、その客層であろう。最近、いわゆる登山にムキになっている熟年グループの姿は見えず、別荘に保養にでも来たらしい若者や熟年夫婦らが、賑やかに、しかし品良く展望を楽しんでいた。まだ新緑の乏しい山頂付近には、純白のコブシの花が咲き始めていた。鼻曲山の姿もすぐそばだ。
山頂直下の広場で遅めのランチを楽しみ、ゆっくりと下山した。GWど真ん中の5月5日、帰路は渋滞間違いない上信越道へのルートを避け、敢えて長野原側へ迂回して温泉で汗を流して帰京した。■
参考: 初めて瑞牆山へ登った時(1988年)の記録は、こちらから。
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