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Data No. BT_11

旅行日: 2010年3月某日(日曜〜月曜)

地域: 群馬県、草津温泉

同行者: MTさん

 

激安温泉ツアーの実態!

上州 草津温泉へ  

 


激安温泉ツアーを検証!

  出口の見えない不景気、失業率アップ、デフレスパイラル、人口減少、国民の期待を見事に裏切った政権交代...いま、日本には明るい話題がありません。そんな世の中で、低所得者に、ささやかな楽しみを提供してくれるのが、激安温泉一泊ツアーです。

  今回は、浦和駅から長野原草津口駅への行き帰りの特急列車指定席が付き、草津温泉の立派なホテルに一泊二食付で、9,800円というもの(上野駅発着だと10,800円)。今のようなシーズンオフ限定商品で、平日と日曜宿泊限定です。水上、伊香保、伊東等にも同様なツアーがあります。「ツアー」といっても、団体行動なんて一切無く、あらかじめ指定列車と宿泊のクーポンをもらって、全ては自分達だけでの気楽な行動です。

  ちなみに、駅の窓口で、同区間の乗車券と指定席特急券を買うと、片道4,330円、往復8,660円。これに中堅クラスの温泉旅館やホテルの一泊二食は、安くても1万円近いでしょう。だから、ざっと半値のダンピング。

  この料金で、いったいどの程度のサービスが受けられるのか。今回は旧友のMTさんの賛同を得て、大いなる好奇心を抱いて出発しました。
 

楽しく気楽な汽車旅

  温泉オタク(別名、温泉荒し?)の私としては、草津温泉は、もう十数回宿泊し、日帰り・立寄りでも数十回は行ってます。でも、20代に仲間とスキーに行ったとき以外は、全てマイカーでの訪問でした。それが今回は、特急列車の指定席で往復するんだから、心は躍ります。MTさんと宴会材料を調達して、午前10時過ぎの特急「草津3号」に乗り込みました。

     浦和駅に入線する特急「草津3号」
 
    何てったって、コレが出来るのが汽車旅の醍醐味! 

  いや〜、自分でハンドルを握っていては決して許されないこと、お酒を片手に、赤い顔をしてくっちゃべりながらの道中、いいもんですね。指定席の車内はほぼ満席。皆さん、シアワセそうに出来上がってます。一升瓶を持ったオバさまが、仲間に酒を注ぎまわっています。私たちはクールに、安い発泡酒とチューハイを、銘柄が他人に見えないようにいただきましょうね。

  2時間強の、のんびり汽車旅。まだ冬枯れの上州の山間。平行している国道は数え切れないほど車で通過しているのに、目に入る風景は新鮮です。

  高崎線〜上越線を渋川から離れ、やがて吾妻線を進んで行くと、今話題沸騰中の八ッ場(やんば)ダム建設途上の、川原湯温泉付近を通ります。乗客も、良く知っていて、ああこれが今話題の場所か、と窓外の橋や道路の工事風景を好奇心一杯で眺めます。皆さんの表情には、総じて、「まあ、ここまで作ってあるのにねえ...」という雰囲気を感じます。今のアホ政権の非民主的横暴さで翻弄される地元の人たちの苦労を考えると、しばし酒の酔いを忘れます。

   長野原草津口駅からはJRバスに乗り換え 

  長野原草津口駅に昼過ぎに到着。ここから草津温泉までのバス代(670円)はツアー料金に含まれず、自己負担です。標高1,000mを越える草津温泉までは、快適なノンストップの急行バスで坂道を登り、約25分。
 

湯の香漂う草津温泉到着

  もう何度も通った草津温泉ですが、バスで降り立つと、何だか初めての地に来たような興奮をおぼえます。もう街の中が硫黄の香にほんのりと包まれている。空気は冷たくて、雪も残っています。今朝少し降ったのだそうな。ちょっと時間が早いので、温泉街のど真ん中にある湯畑を見物します。大勢の人で賑わっています。

      草津温泉の中心地、湯畑

       温泉街を見守るように建つ光泉寺 

  今宵の宿は、温泉街の高台にある「草津温泉ホテルリゾート」。かなり大きな、立派なホテルで、館内もゆったりしています。この寒い季節に、午後2時にチェックインできるのがうれしい。部屋は申し分の無い快適さです。まだ陽の高いうちに、のんびりと大浴場で名湯、草津の湯に浸かり、リラックスできます。大浴場には、露天風呂やサウナもあり、湯上り処には、冷たいお茶も用意してあります。

       
       宿泊した草津温泉ホテルリゾート  (旅館のホームページより引用の写真です)  客室の内部

       露天風呂 (旅館のホームページより引用)
 

申し分の無い夕食内容

  待望の夕食は、ホテル最上階の、普段は宴会場にでも使うであろうホールです。多分、激安ツアー客だけ集めた会食場なんでしょう。ざっと見たら、皆さん同じメニューでしたもの...。高いお金を払った客は、豪華な別メニューで別の会食場か、部屋食だと思います。これ、同じ場所で、変な差をつけられず、テーブルを隔てての優越感と劣等感が交錯することもなくて、良い心配りですね。(わたし、今まで優越感を味わったことなんて、ないです。)

     
    激安ツアー客用と思われるメニュー  

  さて、これが当日のメニュー。決して高級食材は使っていませんが、そこそこに品数も豊富で、皆味付けが良く、私達のような年配者には充分な、ヘルシーメニューです。会食場でのお酒は高いので、部屋であらかじめビールをいただいて(もちろん持ち込みビールですよ!)、そこそこに出来上がってから行くのが賢い方法です(いや、単にケチなだけです)。

      ヘルシーメニューでも美味しかったですよ。

  温泉浴場は、もちろん24時間入浴可能。夕食後に一眠りして、深夜にもひと風呂浴びました。
 

朝食バイキングは全宿泊者共通

  温泉に泊ると、目覚めた後の朝風呂が気持ち良いんです。ただ、草津の湯は酸性が強いので、湯が目に入ったり、ひげそり後の顔面に沁みると、ちょっと痛いので注意が必要です。

  朝食はバイキングでした。これ、全宿泊者共通のレストランなので、高いお金を払った客も、激安ツアー客も同じものが食べられます。そのメニューは、かなり高レベルで、和洋中華と、品数がとても豊富でした。せっかくだから、あれも食べたい、これも食べたいと思いますが、人間食い溜めが出来ないのが辛いところです(あとで、お腹が空いてから、ああもっと沢山食べておけば良かったと後悔する)。そして、たくさん食べた後の、デブリ解消も大変ですから、ほどほどにします。

    ホテルから見る草津白根山 
 

草津を楽しむ

  朝寝を楽しんだ後、ゆったりと10時にチェックアウト。草津白根山が、目の前に大きく裾野を広げて横たわっています。帰りの列車は午後2時50分なので、かなり時間があります。この日は、草津が初めてに等しいMTさんのために、一円も使わないで、草津の名所巡り案内をしましょう。

   
        お饅頭はいかがですか〜?                    漬物も味見をしてから選びましょう

  先ずは温泉街の上の方にある「西ノ河原」を目指します。湯畑から温泉街を通ってゆくと、土産物屋が軒を連ねていて、欲しくなくても温泉饅頭を2個や3個食べさせられます。(なあんて言っちゃあ失礼ですよ。「どうぞ、どうぞ」と言われて、自分でしっかりと手を出したんですからね。)蒸かしたてで、ホカホカで美味しいんですよ。そしてお茶も無料でいただけます。でも、客は大勢居るし、お饅頭を売るよりも、通りかかる客に食べさせるほうに、より熱心なので、買わなくても引け目を感じる必要ないでしょう(食べた後は、そっと立ち去りましょう)。他の店でも、漬物類なども、みんな味見をしてから買えます。

  草津では、私が温泉饅頭を買う銘柄は決まっているのですが、あえてここで特定の名前は出しますまい。

     西ノ河原園内(入園無料)

  西ノ河原はいろんな所から、いろいろな種類の湯が湧き出す「地獄」です。白根山に源を発する硫黄たっぷりの湯が地表に現れたところです。一番上には大露天風呂もあって、500円で入れます。一度くらいは話の種に入ってみるのも良いでしょう。月曜日なのに大勢の客で賑わっていました。

  草津温泉には無料で入れる共同浴場がたくさんあり、それぞれに泉源が異なる湯を楽しめます。但し、これは本来地元民のための共同浴場なので、「もらい湯」であるという心がけを持ち、マナー良く利用しましょう。(実際、時々図々しい勘違い者が来ますからね。)夕方の数時間は、地元民の利用のため、観光客が利用できない時間帯がありますので要注意。

     
          地蔵の湯共同浴場                      白濁した源泉が溢れています

  この日は、「地蔵の湯」という共同浴場を探訪しました。ここの湯は白濁していて、湯触りも良く、とても快適でした。足湯も併設されていますが、冬季閉鎖中でした。

  湯畑に戻り、土産物屋を散策して、最後は湯畑の足湯でリラックスします。もちろん無料で、誰でも利用できます。ちょっと缶ビールでもいただきながら、お話をしながらだと、あっという間に時間が経ってしまいます。ギャルのグループが来て、そのひとりが靴下をはいたまま足を突っ込んでしまい、「きゃあ、やだあ!」って叫んでいました。

         湯畑の足湯でリラックス!

  草津では他には有料で楽しめるものとして、湯もみショーの見学、熱帯植物園、立ち寄り温泉センター、などいろいろあります。小さな町なので、みんな徒歩圏内です。

  時間が来て、バスで下界へ下り、また特急列車で憂き世に戻ります。MTさんもご子息が教育で一番お金のかかる時期に前職を失い、悩み深き日々です。しばしの憩いになってくれたでしょうか。一部の大金持ちだけが世界を翻弄し、何不自由無く、ぬくぬく育ったお坊ちゃま政治家が机上の空論を庶民に押し付ける。ああ、イヤな世の中です。温泉でも入ってなきゃ、やってられないわ。

  ま、それはともかく、結論に戻りますと、この激安温泉ツアーの「お得度」は100点満点でしょう。さて、次はどこ行こうかな...。(その前に、もっと稼ぐことを真剣に考えなさいという声が、どこかから...。)■


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