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Data No. BT-26 |
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秘境の中の温泉街 山形県 | |||
RSさんご希望の仙台と、もう一泊はちょっとした温泉にということで、ネット検索の結果、私にとっても初めての山形県、肘折(ひじおり)温泉に宿を取りました。 一体どんな処へ行くんだろう? 仙台から古川、鳴子温泉を経て、午後2時過ぎに新庄駅到着。宿の送迎車が駅前で既に待っていた。客は我々3人だけ。所要1時間の路線バスは1日に5回程度しかないので、とても有難い。 新庄の町を離れると、次第に長閑な田舎道になっていく。畑地、森林の中、そして山道になり、人家が見えない場所をしばらく走った。ネットで見た時は、割合と立派な温泉地だと思ったが、一体どんな処へ行くんだろう。かなり寂れた温泉地なのかしらん? やがて山道から、急な崖に突き出た鉄骨製の巨大ならせん状の橋の上にでた。うわ〜、ジェットコースターみたい。聞くと、土砂崩れした山道に替わって、まだ最近できたばかりの橋だそうで、何回か回転しながら谷底へ降りていく。そして、その谷底には、建物がギッシリ詰まった町が見えるではないか。 秘境の谷間の立派な温泉街 送迎のマイクロバスは、車同士のすれ違いなんて、できそうもない狭い道の両側に旅館や土産物屋がぎっしりと隙間無く建った町に入る。目を見張る光景である。先刻途中下車した鳴子温泉駅では、駅近くの街路は閑散として、営業していない土産店や飲食店が目立ったのに、この辺境の温泉街は、平日なのに、土産物屋が軒を連ね、みんな目一杯商品を並べて営業している。旅館の数もすごく多い。今宵の宿は、その温泉街の真っ只中だった。午後2時45に投宿。 レトロな旧郵便局の建物 肘折温泉とは 宿の人に聞くところによると、この地は、太古の火山の噴火口の中(カルデラ地形)に位置するそうで、良い湯が湧くことから、湯宿がその源泉の上に集中的に建っているのだそうだ。信仰の山、月山の麓に位置し、開湯以来1,200年の歴史があるという。肘折(ひじおり)の名前の由来は、昔、老僧が崖から落ちて、肘を折ってしまい、ここの温泉の湯で治癒したことからだという。詳しい案内は、肘折温泉ホームページを見てください。
今宵の宿は、「若松屋村井六輔」(←ホームページにリンク)という由緒ある湯宿だった。まだ小さいお子さんを育て中の若夫婦がメインに切り盛りしていた。部屋に荷物を置いて休憩してから、入浴前に小雨そぼ降る温泉街を散策した。共同浴場も幾つかある。狭い町なので、一周してもそれほど時間はかからない。大型の路線バスが、この狭い街路を通るのに、またまた驚いた。新庄から送迎が無かったら、やっとこの時間に着くのか...。 旅館内の湯は、60年位前に湧出した自家源泉と温泉組合の湯を混合したもので、泉質はナトリウム-塩化物炭酸水素塩温泉、43℃。茶褐色の湯が、掛け流しで溢れている。ゆっくりと浸かった。気持ち良かった。食べ過ぎ、飲み過ぎの身体から、汗を放出して、さて上がろうと思ったとき、別のオジさんが入ってきて、温泉談義に付き合わされ、もっと汗を出すはめになり、また部屋でビールを余計に飲んでしまいました。 でも、久しぶりに温泉らしい良い温泉に浸かった...。自然と湧き出す大地の恵みの湯は、地中深くから無理やりくみ上げた新興温泉とは、大きく違うものがあります。 今宵の夕食は、個室でゆっくり素朴な山里料理を楽しみました。前夜は仙台で牛タンをしっかり食べ、明日は米沢で名物を、と計画していたので、身体に優しいヘルシー料理です。 こんな賑わいは末長く大切に 翌朝は、5時半から賑やかな朝市があり、番長はウォーキングがてら見物に行きましたが、ぐうたらな私は、部屋から見下ろしただけで済ませました。昨日の午後、旅館に着いてから、町は今が一番賑やかです。 朝食もゆっくりといただきました 朝市は、売る方も、買う(見物する)方も、昔の少年少女ばかりです。人口減少がどんどん進行するこれから、特に地方では、こんな賑わいは、いつまで続くのかな。今の若い人達が、数十年後に、同じことをするだろうか。温泉だの、朝市だの、興味を持つだろうか。将来は見ることができなくなってしまうかもしれない光景を、私は目に焼き付けておこう。 こういう賑わい、元気がずっと持続する日本であってほしいです。■
参考リンク: | |||
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