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ぶらり旅行記

 

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Data No. BT-18

旅行地: 香港・マカオ
旅行日: 2013年1月27〜30日
地域: 中国(元英国・ポルトガル領)
同行者: ひとり旅


ぶらり散策

香港・マカオ 
 



ビール色の空!

  「晴れ」の予報の香港だったが、機内から見ると、眼下は完全に雲に覆われている。そしてなかなか着陸せずに、上空を幾度も旋回した後、ようやく着陸態勢に入るとのアナウンスがあり、雲の中に突入していった。でも、えっ?!何か変だ!!

          
                スモッグに覆われ、太陽も霞んでいた香港国際空港

  飛行機が着陸した瞬間、もう私は折り返し便があれば、そのまま日本に帰ろうかと、本気で考えた。空は一面のビール色のスモッグで、空港の端はぼやけている。北京や上海周辺の大気汚染がひどいものであることは、ニュースで知っていたが、まさか香港までこんな毒霧の中とは...。毎度ながら、デルタ航空で貯めたマイルでの旅行だが、香港を選んだことをひどく後悔した。

気持は完全に萎えて

  とにかくホテルも予約してあるので、暗い気持で、エアポートエクスプレスに乗り、地下鉄に乗り換え、北角(North Point)駅近くのイビス・ホテルに、夕方7時に到着した。港を見下ろせる部屋だったが、対岸の高層ビルは毒霧でボウッと霞んでいる。こんな状態ならば、あまり出歩くのは止そう。

  28年ぶりに訪れた香港は、ひどく私を意気消沈させ、そのためか、就寝後、悪寒に襲われ、翌朝は、10時過ぎまでベッドから出られなかった。夜中に窓の外を見たら、多少風が出てきて、毒霧が薄くなったのか、対岸の高層ビルの輪郭が鮮明になってきたようだ。

ま、気張らずに、歩いてみよう

  28年前に来たときの香港は、英国領だった。共産中国に返還されて、どんな風に変ったのだろう。今回は、そんな変化を見たい。前回は仕事で、バイヤーとして訪問したので、ヒルトンホテルに泊り、アバディーン水上レストランでの豪華料理や飲茶だとか、ビクトリアピークからの素晴らしい夜景などは楽しんだ。もう、そういう贅沢はナシで、庶民目線で歩きます。
 

凄いスマホの普及率

  移動のほとんど全ては、地下鉄(MTR)で済ませよう。地下鉄を使えば、ほとんどの観光名所は網羅しているようだ。ホームドアが完全設置されているので、安全面は全く問題なし。治安も良い。

        
             香港の地下鉄ホーム(駅は清潔で、ホームドアがあり安全!)

  車内は平日の日中でも、わんさと人が乗っている。びっくりしたのは、10人中8人の割合で乗客がスマホをいじっている。老若男女を問わず、ものすごい普及率だ。そして、そこいら中で、大きな声で通話中。ああ、やかましい...。東京の地下鉄での風景とは、あまりにも違う。東京の常識は香港ではナシ。香港の常識は東京ではナシ。

  しかし、2年前に訪れた北京での地下鉄乗客との大きな大きな差は、香港の乗客は、多少なりとも周囲の人に気を遣うこと。肩が触れれば、Sorryとか、Excuse meという言葉が聞こえ、そこいらに痰を吐く人は絶対居ないし、乗り降りのマナーも数段良く、ずっと洗練されているのがうれしい。そして街中では、香港の人々は歩道の交通信号を守る。むしろ西洋人(白人)の方がお行儀が悪い。
 

懐かしのチムシャツイとネーザンロード

  九龍半島側の繁華街、尖沙咀(チムシャツイ)に地下鉄で渡る。先ずはその中心にある重慶大楼というビルの2階で両替をする。ここが香港で一番有利なレートで両替ができるという。確かに空港の銀行よりは、はるかに手取りが多くて喜んだ。ここはインド系の人々が多く、一種独特な雰囲気が漂う。

  ネーザンロードは、歩いて見物するだけでも楽しいショッピングストリートだ。外人観光客も多い。

   
      チムシャツイのネーザンロード中心にある重慶大楼(両替屋が沢山あり、インド系の人々が多い)

  今回は3泊4日の旅行であったが、前述の理由で、体調が思わしくなく、途中の2日間は一日2食しか食べられなかった。ひとりでは、コース料理や飲茶は難しいので、地元民が通う庶民的レストランで済ませる。でも、昔来た時よりは、英語が通じなくなったかな...。店頭には料理の写真があるので、それを指差して注文するか、漢字を書いて店員に見せる。中共の管轄になったら、店員のおばちゃん達は、あまり英語を勉強しなくなったのだろうね。繁華街には西洋人も多いが、庶民的な食堂には、彼らの姿をほとんど見ない。西洋人は皆、英語の通じるホテル近辺で食事を済ますのか、中華民族と西洋人の行く場所は、しっかり棲み分けができちゃったのかしらん?

   
  とても美味しかったチキンライス(HK$57、約650円)    エビフライが乗った塩ラーメン風(HK$37、約450円)

  
 疲れたので、夕食は屋台で韓国焼肉弁当等を買い、コンビニでビールを買いホテルの部屋でゆっくりと(全部で約500円)

 

安くて腕の良いマッサージも体験

  2日目の午後、前から予定していたマッサージ体験に。行き当たりばったりは怖いので、情報誌をあらかじめ見て決めておいた康恵足マッサージセンターというところ。足底が専門のようだが、私は身体がだるいので、60分HK$240 (約2,800円)の全身コースをお願いした。腕の良い男性マッサージ師で、あっという間に時間は経ってしまい、その後しばらくは身体がしゃっきりした。肩から首の部分がひどく凝っていたようだ。ベトナム、北京、シンガポール等でも安いマッサージはあるが、私の体験では、腕が良かったのは台北と、この香港です。

スターフェリーで香港島に戻る

  
       スターフェリーで海峡を渡る。昨日よりは視界良好だが、それでも街はスモッグに煙る

           
              香港島中心部(中環)の高層ビルと、ビクトリアピーク

  九龍半島のチムシャツイと香港島の中心は、地下鉄も走るが、スターフェリーで渡るのが楽しい。地下鉄だと100円程度(それでも安い)だが、スターフェリーだと、たったのHK$2.50(約30円)なのだ。迫り来る超高層ビル群を眺めながらの数分の船旅は、地元民の他に観光客も多い。それにしても、本当にひとり30円の料金で元がとれるのかな...。

  マッサージで一度しゃきっとしたが、それでも体調は良くない。あまり人混みと毒霧の中を歩き回りたくないので、コーズウェイベイ駅まで地下鉄に乗り、ウェルカムというスーパーマーケットでお土産を買って、早々にホテルに帰ります。


マカオをぐうたら日帰り散策

  翌朝、3日目も、"Don't disturb"タグをドアにかけて、10時過ぎまでベッドから出られず。とにかく意気が上がらない。それでも、香港に、ただ寝に来たことになったら、せっかくの無料航空券の旅がもったいない。気持を奮い立たせて、ちょっとだけ「ぐうたら日帰り旅行」する。

            
                    香港とマカオを1時間で結ぶターボジェット船

  マカオは、香港島から頻繁に出発する高速ターボジェット船(片道約1,600円)で、1時間で到着する。行きも帰りも、船内ではひたすら眠っていた。ちなみに、香港も、マカオも今は中共に返還されたが、それぞれに入国手続き、出国手続きが必要だ。従って、行き来にはパスポートが絶対必要。

  マカオに到着し、船を下りると、香港よりも暖かい空気に包まれた。旧市街まで、地図を片手に歩いたら、結構遠くてウンザリ。街を歩いているのは、み〜んな中華民族だが、ポルトガル植民地時代の名残が各所に残り、それが観光名所になっている。

  
       賑やかな旧市街                     聖ポール天主堂跡にて

     
   美味しかった名物のエッグタルト          ここからポルトガルは遠いなあ...

  体調が悪いと、あまり感動もしない。中世様式の建物を眺め、一番人出の多い、「聖ポール天主堂跡」を散策して、エッグタルトというパイ生地のお菓子(約60円)を買い、ハーゲンダッツのアイスクリームと共に、石段に座って、ゆっくりと食べる。午後2時で、今日初めての食べ物だった。意外と美味しい。

  マカオは元ポルトガルの植民地だが、英国統治の香港よりはずっと宗教色が強かったようだ。でも、ここを闊歩する人々の95%はキリスト様とは、あまり縁が無さそうな中華民族ばかり。この民族独特の声高のおしゃべり、せかせかとした歩き方、エネルギッシュと言えばエネルギッシュ。少子高齢化が進行している日本と比べたら、活気があって良いのかも。でも、東京の落ち着いた静かさが妙に恋しい。体調が悪い分、郷愁がつのる。

  韓国や中華系の国への旅行は、もうしばらくはいいかな。早くホテルに帰って、温かいシャワーを浴びて、身体を休め、明日は元気を取り戻して、日本に帰ろう。■


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