山に呼ばれて山ある記Home

日本全国の山ある記

山のバッジギャラリー

ぶらり旅行記

ふるさと讃歌 十日町

お奨めリンク集

Data No. BT-16

温泉地: 菱野温泉(ひしのおんせん)
旅行日: 2011年11月26日(土曜日)
地域: 長野県小諸市郊外
同行者: 飲み友達3名


登山電車で行く

展望露天風呂

菱野温泉
 



1,000円はちょっと高いけれど

  菱野(ひしの)温泉の存在は、かなり前から知っていたが、いわゆる日帰り温泉センターではなくて、泊るには、ちょっと値段お高めの旅館の施設なので、敬遠していた。しかし、全国の様々な温泉になるべく沢山入りたい私にとって、もう関東甲信越では、なかなか新規開拓がままならない。そこで今まであまり眼中には無かった、この菱野温泉のデータをさがしたら、入浴料1,000円かあ、ちょっと高いなあ...。でも...アレ、なんだか面白そうじゃん...「登山電車にゆられて 露天風呂」だって?!

       
                      菱野温泉、常盤館ホームページの、この誘い文句に釣られて...

  晩秋の週末、飲み友達FMさんの勤める会社の社長が所有する軽井沢のリゾートマンションを、社長からの差し入れまでたくさん頂戴して、4人でお借りし(なんて素晴らしい社長!!)、金曜夜から日曜日まで、しっかり飲んで、食べて、遊ぶ恒例の2泊3日のドライブ旅行に出た。

  でも、現地では、リゾートマンションのユニットバスに浸かるより、温泉の宝庫である信濃路の名湯で湯ラックスしたいので、毎回いろいろな温泉を渡り歩いている。
 

雲上の別天地へ

  金曜日夜に到着してから、明け方まで、お酒を飲みながら、トランプゲームに興じてしまったので、土曜日に皆が目が覚めたのは午前11時だった。たかがゲーム、されど勝ち負けはつく。勝てば勝ったで気分が乗ってくるし、負ければ負けたで悔しくて、今度こそ、と熱くなる。そしてあっという間に、お日様が顔を出す時間がやってくる。ハッと、もう若くはない自分のトシを思い出して、床に入ったのだった。

  ブランチをとり、午後1時過ぎにやっと外に出て、国道18号線バイパスを車で走りながら、びっくりした。全く雲ひとつ無い超快晴で、浅間山はハイビジョンカメラで撮影したように、中腹に転がる岩の影までくっきり見えるし、八ヶ岳連峰も、更にはもっと遠くに北アルプス槍ヶ岳の穂先まで、これでもか!という具合に、その表情が顕わだ。でも、すぐ目の前のカーナビは目を細めて見ているくせに、それはあなたがローガンで遠視だから、なんて想像しないでください。

  こんなたぐいまれな超快晴の日、昼まで、大口あけて、ガーガー寝ていたなんて損したね。でも、展望露天風呂からの眺めは期待できそうだ。

  目的の菱野温泉、常盤館(ときわかん)へは、軽井沢からR18〜浅間サンラインをたどり、小諸市域に入ってから道標に従って、右側の浅間山麓方面に狭い山道をたどる。軽井沢からは距離にして約30キロ、約30分強だった。

  山腹の集落を越えて、更に登って行くと、静かな森の中に常盤館はあった。30数室あるという、比較的大きな旅館なので、駐車場は充分広い。建物前の「登山電車で行く露天風呂」という看板が、胸を躍らせる。

          常盤館の全景(常盤館公式HPより引用) 
 

本格的な登山電車だ!

  フロントで1人1,000円の料金を払い、すぐそばの登山電車乗り場に行く。自分でドアを開けて、傾斜した形の電車の箱に入り、ドアを閉めたら、自分で赤い発車ボタンを押す。上を見ると、「山頂駅」はすぐそばに見えるが、かなりな傾斜面だ。全長130メートル、高低差約50メートルで、所要時間1分30秒、全て日本製の設備だとのこと。

     
            自分でドアを開けて乗車します                途中には上下線行き違い設備もあり本格的!
 
  
      発車ボタンも自分で押す               登山電車の車内、遊園地気分でウキウキ       山頂、雲の助駅到着             

  発車時間が特別に決められておらず、乗ったらすぐに自分で発車ボタンを押し、自由な時間に移動できるのがうれしい。発車ボタンを押したら、すぐにガタンゴトンと電車が動き出し、急斜面を登ってゆく。6人分くらいの座席もある。まるで遊園地気分だが、いやどうして、設備は本格的なものだ。中間には上下線の行き違い設備まである。メンバー4人とも、よいおトシ(ひとりは還暦過ぎ)だが、みんな顔がほころんでいる。

  山頂の「雲の助駅」も、停車したら自分でドアを開けて下車する。廊下を渡り、展望風呂入口で下足をスリッパに履き替えて館内に入る。休憩所と売店があり、係の人達がにこやかに迎えてくれて、ここでタオルも無料で貸し出してくれる。
 

展望満喫の露天風呂

  早速展望大浴場に入る。脱衣所からとびらを開けると、なんと、他に誰もいず、我々に貸切状態だ。これなら、麓のガサガサ混雑している日帰り温泉センターよりは、はるかに快適そう。大きな木の浴槽には無色透明の湯が溢れている。湯はアルカリ性単純泉で、全くクセの無い湯だ。

        
        大きな桶の露天風呂                       露天風呂からも登山電車が見えます

        
             露天風呂からの眺め、佐久平を隔てて八ヶ岳が見える(逆光でイマイチの写真)

  露天風呂に出てみる。あれ、なんだえらく小さな露天風呂だなあ、と一瞬がっかりしたが、そこから階段を更に下ると、大きな4〜5人は入れそうな桶風呂があった。露天風呂設備は全部木造りで、足裏にも身体にもやさしい。涼み用のブランコまである。湯は私好みの適温(40度くらい)で、ゆったり楽しめる。

  標高が約1,000mある露天風呂の真正面には、小諸市街から佐久平を見下ろし、右側に八ヶ岳連峰、左側に奥秩父の瑞牆山と金峰山方面、そして、その稜線の上に富士山が頭を覗かせている。全く雲のかけらも無い澄んだ快晴で、空を飛んでいきたくなるような絶景だ。

  熟年男3人で、桶風呂に入り、写真を撮ったりしてキャッキャと騒いでいると、下から上がってくる登山電車には子供数人が乗った家族連れが見える。貸し切り時間は、そろそろおしまいだ。その家族連れが入ってきたら、浴場内は一気に賑やかになってしまった。
 

休憩所もなかなか洒落ている

  湯上りは、休憩所で休んで行こう。落ち着いた木造りの休憩所では地ビールも飲めるし、コーヒーやアイスクリームや土産品等もいろいろと販売している。館内は禁煙だが、外にはテントを張ったコタツ付の喫煙所がある。その周囲はベンチやテーブルなども配置されていて公園のよう。ただ残念なのは、横になって休める無料の場所が無いことだ。本来は旅館ですからね。ここで土産に買ったわさび漬けは、とても美味しかった。

      
       おタバコは屋外のコタツ付テント内でどうぞ               軽井沢帰還後はふぐ鍋で再び宴会突入!

  温泉で、ゆっくり過ごした後は軽井沢のリゾートマンションへ帰還し、日曜朝まで、延々と、飲み食い宴会+トランプゲームの続きだったことは言うまでもない。温泉のあたたかさが、しみじみとありがたく思える晩秋の週末だった。



        ぶらり旅リストへ戻る