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  マレーシア、ペナン島へ

 

2006年6月8日〜13日



力強い成長を見せる熱帯の国

 「マレーシアはイスラム系なジン(人)が多いんけど、このペナン島は中華系なジン(人)が多いです。」
 「ニッポンのお坊さまは、お金たくさん持ってるだけど、ここのお坊さまはけっこう辛いな生活してるだから、偉くになるよう、生きてるの間いろいろ修行して...」
 「さっき見たのタイのお寺と違って、ビルマの仏さまは立ってるの形で作ってあるんから...」
 「左に見えるの建物は昔修道院だったマナ(もの)」

 こんな風に、我々の半日観光ガイドのユーさんは、実によどみなくしゃべる。まったくギクシャクしたところがなくて、見事なものだった。観光したコースは6年前にも見たものだが、ユーさんの名ガイドで新発見を沢山したと思う。

     
         涅槃仏があるタイ寺院                         黄金色のビルマ寺院

 熱帯の国、マレーシアの経済成長には目を見張るものがある。高層ビルは次から次と建設され、元は英国の植民地だったこともあって、街中は洗練された雰囲気が漂い、いわゆる貧民街などは全く見当たらない。ビーチ・リゾートの開発もどんどん進んでいる。治安もマレーシア本土やタイなどよりもずっと良いのではないだろうか。

 そういう事情もあり、ここは定年退職後の日本人が移住したり、ロングステイを楽しむ地として人気が急上昇しているという。一年中常夏なので短パンと半袖シャツの生活、物価は安い、食べ物はいろいろある。日本に居るよりも数段上の生活は間違いない。


旧友、EK君との再会

 そんな力強いマレーシアの経済成長の一翼を担っているのが、私とSI君の旧友、EK君である。EK君とは25年前にアメリカ大陸をバス旅行しているときに知り合い交遊が続いている。当時のEK君は当地の財閥の御曹司で英国に留学中の学生だったが、家業を継ぎ、いまや当地のリゾート開発会社の大ボスである。このペナン島で海に面した大規模リゾートマンションを造成していて、前回の訪問時には、そこに泊めてもらった。今は隣接した場所で第2期、第3期の造成中だ。海を越えてインドネシアのメダンにもリゾート建設を進めている。

    
     EK君が造成中のリゾートマンションの模型             毎晩、豪華ディナーをご馳走になりました

 今回も建築中のリゾートマンションのショールームを見せてもらったが、全室ビーチに面し、実にゆったり広々とした贅沢なつくり、200uの広さで、日本円換算1,600万円だとのこと。居住者専用プールも完備、セキュリティも完全で、不審者は敷地内に入れない。老後は、こんなマンションに住めたら本当に素晴らしいと思うが、広過ぎて掃除が大変だな、なんて思うのは貧乏人の証拠かしらん。

 もし、定年後等の生活として興味があるという方がいれば、よろこんでご紹介しますので、小生に連絡をされたい。

 6年前は今回とほぼ同じメンバー7人で飛行機の切符だけ買って行ったら、宿泊も食事も観光も、全て面倒を見られてしまった。それでは、まるでたかりに行くに等しいので、今回は6日間のパック旅行を申し込み、もう少し気楽な立場で交遊を深める。それでも、海鮮料理、中華料理、イタリア料理、タイ料理と、毎晩豪華な食事をふるまわれてしまった。


ペナン島の楽しみ方

 ペナン島はビーチリゾートだが、本土に近い島なので、海の水は透明ではなく白く濁っている。だから海で泳いだり潜ったりのレジャーには適さない。ビーチではパラセイリング、水上スキー、モーターボート、乗馬などを楽しむ人が多く、泳ぐ人はビーチに面したホテルのプールを使う。

    
      のんびり過ごせるビーチリゾート               屋台で食事をすれば100円程度で充分

    
                          夜店街の散策も楽しい

 我々が泊ったバツーフェリンギ地区は、大きなリゾートホテルが林立する繁華街だが、暑い昼間の通りはがらんとしている。しかし、涼しい夜になると通りの両側に延々と夜店が立ち並び、賑やかになって、そぞろ歩くだけで楽しい。当地の名産であるバテッィク染め(ろうけつ染め)の布や、真ちゅう製の置物や雑多な土産品、衣料品など、いろいろある。値切り交渉も楽しみの一つだ。

 食べ物はマレー料理、タイ料理、中華料理、インド料理、海鮮料理、などいろいろある。(日本食は高級なので除外。)そして、どれも皆安い。ランチに炒飯や麺類を軽く食べるだけならば、90円〜120円程度で充分だ。私は個人的に当地の炒飯(ナシゴレン)が大好きである。ただ、同行の仲間や子供達には、毎食の脂っぽさに辟易した気配もあった。

 同行の女性達はジョージタウンへショッピングにも出かけた。いろいろと掘り出し物があったらしい。


意外と美味しいドリアンの味

 滞在中に一度、EK君の所有する豪華クルーザーに乗せてもらった。内部には寝室が3つにキッチンとカラオケ装置付の豪華サロンがある。土足禁止なので乗船時には靴を脱ぐ。これに乗って、皆は大はしゃぎ。日本では加山雄三だとか金持ちの芸能人クラスでなければ持っていないであろう素晴らしいクルーザーだ。波静かな沖合いに出て係留し、甲板で生まれて初めて釣りを楽しんだ。ビギナーズラックで、私を含めて、7人中3人が、なまずを釣り上げた。

    
       EK君の豪華クルーザー                      カラオケセットもあるキャビン内

    
      フルーツの王様、ドリアンを初体験                  見事ナマズを釣り上げました

 この船上では、その独特な臭いのせいで高級ホテルでは持込みが禁止されている東南アジアのポピュラーなフルーツ、ドリアンを初めてご馳走になった。もちろん船室内ではなくて、甲板で食べた。とげとげしい外皮の中にはタネを包んだオレンジ色の果肉が詰まっていて、それを手ですくって食べる。あれ、意外と美味しいではないか。甘いクリームチーズのお菓子のような味だ。当地の人は、西洋人には嫌われるこのドリアンを「フルーツの王様だ」と自信を持って言う。私も初めて食べてみて、大いに見直したが、後刻ホテルに帰って部屋でげっぷが出たら、一瞬あの独特の異臭が自分の鼻をついた。味と臭いとは別物なのか。

 さすがにドリアンはお土産で買えないが、このドリアンを使ったチョコレートが土産物屋にあったので、味見をした上で幾つか買った。チョコレートというのは何処の国にも必ずある定番の土産であり、一番無難であるが一番つまらない土産でもあろう。しかし、ドリアンを使ったチョコレートとは珍しいので、喜ばれるのではないだろうか。


またいつの日か

 正味4日間の滞在は、あっという間に終ってしまった。本当に老後は、こんなパラダイスでのんびり過ごせたらどんなに良いだろう。いろいろ体験したので、前回よりもプールやビーチでのんびりと過ごす時間がとれなかった。食べ疲れもした。EK君には、いつも本当に世話になりっぱなしで恐縮だ。彼がまた来日する際には精一杯歓迎しよう。

 昨年来、自分も大病をしたし、EK君やSI君も、いろいろと健康上の難を乗り越えてきた末での今回の再会であった。自分達も年をとったんだな...。是非、お互いにいつまでも健康で、元気で楽しい交遊を続けたいものだ。最後の最後まで多忙な身なのにわざわざ時間を割いて見送りに来てくれたEK君と別れを惜しみながら、単なる旅行の終りとは違うセンチメンタルな気持ちで、常夏のパラダイスに、にじみ出てきそうな熱いものをこらえながら、しばしのお別れに手を振った。■

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