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Data No. 218 |
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浜 石 岳
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圏央道が放射状の各高速道につながって、ドライブはとても便利になった。下道を走った頃の半分以下の所要時間で各地に行ける。但し、高速料金はしっかりと取られる(昔の週末にあった「千円高速」が懐かしく、恋しい)。ひとりドライブでの高速代は惜しいが、快晴の予報のある日、思い切って富士山に会いに出かけた。 由比の裏手の山 富士川SAで東名高速道を降り、静岡市清水区、海のすぐ傍にある由比(ゆい)の街から、道標に従って、山道をグングン登ってゆく。舗装されているがヘアピンカーブ連続で、急傾斜の狭い道なので、すれ違いは厳しかろう。かなり登った場所にある草原状の「登山者駐車場」に無事到着。途中で、麓から歩いて登るハイカーもいた。私はもうトシなので、あるものは利用させてもらう。 駐車場から浜石岳山頂は、約2km。しかし、そこからも舗装道はずっと続いていた。車道を歩いたり、短絡する山道に入ったりしながら、展望の乏しい杉林の登り坂をあえぐ。しばらく「登山」から遠ざかっていたが、心地よい汗をかく。 ゆっくりの登りで駐車場から約45分。やがて視界が次第に開けてきて、山頂間近となったところに、なんと車が2台も停まっていた。なあんだ、ほとんど歩かずに登れる山だったのか...。5〜6台は停められそう。
山頂はこんもりとした草原だった。お年寄りのいる家族連れがテーブルベンチで気持良さそうにランチを楽しんでいた。その他は女性が2人だけ。山頂直下の車は彼らだったのか。 うわ〜っと叫びたくなるほどの大展望が待っていた。360度の展望の中で、高潔なまでに純白の富士山の巨大さがひときわ目立つ。眼下には、清水港、そして駿河湾の海原が空との境目が分からないほどに青く光る。今日は快晴だが、下界はやや霞んでいて、左側の伊豆半島はぼやけて見える。回れ右をすると、南アルプスの高峰が白く連なっていた。 こんなところで、お弁当を広げ、美味しいビールでも飲んだら、最高だろう。お年寄りや子供連れでも、気軽に展望を楽しみに来れる山なのだ。しかし、今日の私としては、片道僅か2kmの山歩きでは、お神酒は持参できず、ペットボトルのお茶だけを飲んで、素晴らしい展望を目に焼き付ける。 山頂はこんな雰囲気 この日、帰りの道中でも、雲が増えてきたが、真っ白な富士山の山頂だけはずっと大きく見えていた。本当に高くて、本当に崇高な山だ。由比から富士宮〜鳴沢〜富士吉田〜大月を、久しぶりに会えた富士山の余韻を楽しむべく、高速に乗らず、ずっと下道をゆっくり走った(…本当は高速代が惜しかったから、汗)。■
行 程
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