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Data No. 216 |
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雲仙普賢岳 & にごり湯の雲仙温泉
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今その溶岩ドームは、主峰だった1,359mの普賢岳(ふげんだけ)より、何と120m以上も高い1,486mに達し、長崎県の最高峰となり、「平成新山」と呼ばれる。この新山は、もちろん登山が禁止されているが、普賢岳には気軽に登頂できるということで、ANAで貯めたマイルを利用し、35年ぶりに雲仙を訪れる。 火の山の恵み、にごり湯の雲仙温泉 今回の旅の目的は、普賢岳登頂と共に、私の大好きな硫黄成分の濃い白濁(通称にごり湯)の雲仙温泉に浸かること。平日でもあり、おひとり様でも格安で、「ゆやど雲仙新湯」という立派な宿に投宿。長崎空港からレンタカー利用で、午後2時過ぎに着いてしまったが、快くチェックインさせてもらえた。早く着いた分、男性用だけで2箇所ある大浴場を、完全貸切状態で楽しむ。 ここは敷地の直ぐ傍に、煙を噴き出す源泉を持つ湯宿で、泉質は、「酸性−アルミニウム−硫酸塩泉」(低張性−酸性−高温泉)。この硫黄系湯質の特徴である、ゆで卵のような香りが私は大好き。湯を楽しみ、美味しい食事と酒を楽しみ、すっかりリラックスの一晩だった。 普賢岳に登頂 翌朝(7月8日)、9時過ぎに宿を出発し、仁田峠を目指す。この日、心配なのは、猛烈な勢力を持つ台風9号が沖縄付近を北上して、九州に向かっていること。荒れた天気でなければ、ぜひとも普賢岳は登ってみたい。幸い、今時点で、雨も風もほとんど無く、空は時々薄日が射す陽気。 登山口の仁田峠駐車場は、思いっきりガランとしていた。台風接近のため、雲仙ロープウェイは終日運休だが、普賢岳の登頂には、さして時間短縮となる乗り物ではないので、特別な影響は無し。普賢岳へは、ロープウェイ乗り場から右の、妙見岳の裾野を巻くようにつけられた道を登ってゆく。途中は、やや長い下り坂も現れた。風が当たらないので、汗が吹き出る。 この登山道、普段は観光客も歩くのだろうか、途中までは比較的よく整備された遊歩道のよう。仁田峠付近はミヤマキリシマの名所(見頃は5月ころ)でもある。ここは日本百選森林浴の森でもあるらしい。小広い「あざみ谷」という個所を過ぎると、次第に傾斜が増してくる。 そして、ロープウェイ駅方面からの道と合流する「紅葉茶屋」という地点(茶屋はもう無い)から、いよいよ普賢岳の本格的な登りとなる。朝露で濡れた草木がズボンや肩にまとわりつき、汗と混じって身体を濡らす。そんなうっとうしい登りも、約30分で、普賢岳山頂に到着した。雲の中で、見事に何も見えない。そして風が強い。歩いてきた道は全く風の当たらないコースだったので、台風が近付いていることを認識した。 こんな山頂では長居は無用。誰も居ない山頂で、セルフタイマーで、何とか写真を撮り、下山にかかる。周遊コースもあるのだが、往路をそのまま戻る。 天気は、台風が接近中だというのに、下山中から急速に回復し、有明海から天草諸島の風景が広がった。これなら、もっと温泉の朝風呂をゆっくり楽しんで、遅く出てくれば良かったか。 島原で祈る その後、島原に下ると、どんどん青空が広がった。そしてあの大火砕流を起こした溶岩ドームの山体が、はっきり見えてきた。 23年もの歳月は、山を平穏な姿に落ち着かせたのだろうか。私の大好きな温泉は大地の恵み。しかし、そんな温泉は、時として人の生命財産を奪う、火山という大自然の脅威と隣り合わせでもある。見晴らしの良い場所で、撮影がてら、一旦車を停め、山に向かって合掌。■
雲仙普賢岳行程 | |
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