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Data No. 214 |
Data: 戸神山(とかみやま) 登頂日: 2014年4月2日 地域: 群馬県沼田市 標高: 772m 天候: 快晴 同行者: 単独行 |
戸神山
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あんな山 関越道を新潟方面へ向かってのドライブは、名山の展覧会だ。晴れていれば、浅間、妙義、榛名、赤城、奥日光、子持山、武尊山、谷川岳、などなど数え切れない名山が視界に飛び込んでくる。 何年か前、そんな名山達が全く見えない曇天の中、郷里の新潟に向かっているとき、沼田付近で突然、老母が「あの高い山なんだね?」と訊く。老母の指差す先には、円錐形の低山が雲の下に浮かんでいる。「高くなんかねえよ、あんな山!」と私。「なんていう山?」と更に訊く老母。「しらねえよ、あんな山!」と突っ放す私。 過去、関越道を数百回通っていても、天気に関わらず、全く私の眼中に無かった山だった。反面、登山などには一生全く縁の無かった老母には、しっかり目に留まった山。 その「あんな山」に、思いがけぬきっかけがあって、訪ねてみる。 そのきっかけとは、当ホームページとも相互リンクの画家、「旅人・山本茂富の楽園」で紹介されている、山本氏製作のオリジナル登山バッジの数々の中に、「あっ!」と思うデザインのバッジを見つけたのだ。 関越道で老母の目を惹いた「あんな山」だ!調べてみたら、「ぐんま百名山」のひとつ、「戸神山(とかみやま)」という772mの低山らしい。
戸神山は、沼田市街地から望むとピラミッドにも似た端麗な三角形の山容で、その山頂には江戸時代からの石祠や石灯籠などが祭られている。また、明治時代には、足尾銅山から流れてきた山師によって、金の採掘などが行われており、それは終戦後まで続けられていたようである。今でも山中のあちこちに、こうした廃坑の跡を見かけることができる。群馬県、「ぐんま百名山No. 76 戸神山」より
登山口は、沼田市戸神町の閑静な住宅街の奥、虚空蔵尊入口の駐車場から。普通乗用車でも走れそうな、緩やかでデコボコの無い静かな作業用林道を登ってゆく。ところどころ、短絡ルートもあるが、数日前から腰痛に悩まされていた私は、すり足でも歩ける林道を忠実にたどる。多少スリルのある岩場歩きを楽しめるルートも私は無視して、ひたすら林道を進む。何も私のマネなどしなくて良いのに、分岐点で悩んでいた若者達まで、林道歩きを選んだようだ。 約40分で、作業用林道は終点となり、展望用ベンチもある広場に出た。途中には特別なゲートも無かったし、もしかしてマイカーでもここまで乗り入れ可能なのか? 林道終点からは、ようやく岩や木の根が出っ張った山道らしくなる。それも特別緊張する個所も無く、私の足で麓から50分で標高772mの戸神山山頂に到着した。
山頂で真っ先に目に飛び込んできたのは、堂々たる山容を持つ雪化粧した武尊山(ほたかやま)だ。そして春霞の中に、北関東平野を抱擁するように、赤城山、榛名山、子持山が鎮座する。少しあてにしていた谷川連峰は、残念ながら、この山の北側にどっしり構える三峰山の背後で見えない。 今日は晴天ながらも、遠景は霞みがちだったが、素晴らしい展望を楽しめる山ではある。短時間で登れる山ゆえ、今回はランチもお神酒も持参しなかった。山頂に鎮座する石祠や石灯籠に一礼し、どっかりと腰を下すことも無く、しばし展望に見惚れた。足元には、数限りなく通った関越道が見下ろせる。この山は、あそこを通過する人々の目には、どんな風に映るのだろう。いわゆる「名山」にしか目が行かなかった私の先入観の方が、もしかして損をしていたのかな。 思いがけないきっかけで知った山だが、「ぐんま百名山」のひとつに数えられる山だったのだ。そんなきっかけを作ってくれた老母と、山本氏のオリジナル登山バッジに感謝!■
戸神山登山行程: | |
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