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Data No. 211


Data: 
子持山(こもちやま)
 登頂日: 2013年11月17日(日曜日)
 地域: 群馬県渋川市・沼田市
 標高: 1,296m    
 天候: 快晴
 同行者: 単独行 


上州、展望の山
 

子持山

 



いつも視界にあった山へ

  子持山(こもちやま)は、関越道の前橋を過ぎ、渋川伊香保ICの手前で、関東平野を見下ろすように、真正面に見える山だ。50〜60万年前に活動をした火山であり、噴火活動や長年の侵食や風化によって、獅子岩や屏風岩などの「火山岩頸」と呼ばれる岩頭が中腹に聳えている。その岩頭は、高速道路を走っていても目に留まる。山の麓には、子持神社があり、「古くから子授け・安産の守護神として近在の信仰を集めている」とのこと
(渋川市HPなどからの情報)。獅子岩等の火山岩頸の眺めが、親に抱かれた子供に見えるのが由来であろうか。(これは私の個人的想像)

       
           
  関越道下り線(新潟方面行)から見える子持山全景

  この山の麓は、もう数百回通過しているだろう。今般、思い立って、初めてその子持山の登頂を目指す。

  この山の詳しい説明や登山道ガイドは、渋川市のHPからどうぞ。

決して楽ではない山道

  この山の登山口はナビにセットできなかった。地図を見ても目指す登山口に「地名表示」が無く、「子持神社」とセットすると、麓の子持村の集落内の神社しか出てこない。従って、さんざんあっちこっち迷った末、ガソリンスタンドで道を聞いて、やっと山へ向かう道に入った。ところが「子持山迂回路」と「子持神社」の分岐点で神社方面に進んだら、神社のところで道は行き止まり。仕方なく、神社参拝は割愛し、再び「迂回路」に狭い山道を引き返し、目論見より50分も遅れて、やっと林道終点の「7号橋」登山口駐車場に着いた。登山中に会った人の話では、諦めて、ずっと麓から歩いて登ってきた人も数多らしい。

  快晴の日曜日なので10台程度の車が停まっていた。熊出没の注意書があるが、人出もあるので大丈夫だろう。しかし、クマ鈴はしっかり装着する。8:55、七号橋を出発。

    
       ようこそ子持山へ(登山届用ポスト)          直ぐに屏風岩が圧するように聳える

  谷間の登山道に入ると、滑り止めの付いた木道を登り、橋を渡ると巨大な屏風岩がそそり立つ。おや意外と整備された山道を歩くのかな、との期待は、やがて裏切られる。あまり明瞭ではない渓流沿いの道をたどり、ジグザグながらも急傾斜の道を喘ぎながら登らされる。

      
         
やせ尾根の登りから見る「獅子岩」。てっぺんに人の姿も見えた

  登山口から40分ほどで稜線に出ると、やせ尾根続きで、決して鼻歌気分では歩けない。やがて関東平野を睥睨するようにニョッキリと立つ「獅子岩」が視界に現れた。鎖や梯子があって登れるそうだが、もう私はそういうところは敬遠します。見ているだけで、ビビります。

      
               
目指す子持山頂上が見えてきた

  山頂への稜線歩きも、決して楽ではなかった。両手両足を使って、やせ尾根の岩場を乗り越えたり、ロープに体重をかけたりで、近来には無い全身の筋肉を使う登りだった。

絶景満喫の山頂

  こんな全身の筋肉を使う登りが、この2倍続いたら、さすがに気が滅入るが、登山口からなんとか1時間20分ほどで子持山、1,296mの頂上に到着した。山頂の隅っこにカップルが居ただけで、ほとんど私に貸切の山頂だった。

  最初に目を惹いたのは、純白に化粧した上越国境の山並みだった。もう2,000mの山々は、真冬の世界だ。しばし景色に見惚れよう。

          
                     
子持山山頂1,296mにて(10:15am)

        
                              
谷川岳をはじめ、上越国境の山々

  
              
浅間山方面                            沼田の町と武尊山(ほたかさん)

  こんな絶景の山頂では、必ず軽い祝杯をあげるのを私のポリシーとしていたが、今日はその気になれなかった。たどってきた道は、決してほろ酔いでの歩きを許すルートでもない。そしてノドも乾いていないし、腹も空いていない。そこそこで下って、温かい温泉に浸かりたい。

  下山時には、私の前に出発した中年カップル(注:「中年」というのは、もう私よりも若い世代のこと)が、おっかなびっくり、へっぴり腰で、岩場を下っているのに追いついた。しかしその後10分以上、真後ろを歩く私に道を譲ってくれなかった。奥方の方が気を遣って、旦那に「ねえ、先に行ってもらいましょうよ」と声をかけ、やっと先に行かせてもらえた。

  「ありがとうございます。この山、意外と怖いですねえ」と、お礼とお愛想の挨拶をしたところ、驚いたことに旦那の方が、「いやあ、今までの中では大したことなかったよな」と、奥方に相槌を求めている。まあ、へっぴり腰のど素人のクセに強がりを言って...。正直に怖いと思った私は、あっという間に、彼らの視界から消えて差し上げました。

      
         
下山中に仰ぐ獅子岩。無風のため背後の関東平野は霞んでいる

  獅子岩のてっぺんでは、5〜6人の若者グループが騒いでいた。改めてみるその岩は、確かに獅子の横顔だった。関越道から、いつも眺めていた岩頭だった。

  下山したときは、ホッとした。この山よりスリルのある山は、決してそんなに多くないと思う。その点では、標高の高い低いは関係ないですね。山頂で軽い祝杯をあげるというポリシーを例外扱いにして、郷里への道すがら、数百回も眺めるだけだった山に初めて登り、無事に戻ってきたことに、大いなる満足感を味わいながら、癒しの温泉目指してハンドルを握る。■

 

子持山登山行程
2013年11月17日
入間5:55 ==(関越道)== 渋川伊香保IC == 子持村 ==(道に迷う)== 8:45 登山口7号橋 
登山口 8:55 --- 屏風岩 --- 9:25 稜線分岐 --- 10:10 子持山頂上(1,296m) 10:25 ---(往路を戻る)--- 11:20 登山口帰着 11:30 === 渋川 === 12:20 赤城天地の湯(入浴休憩) 13:20 === 14:30 伊勢崎(宿泊)



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