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Data No. 210


Data: 
菩提寺山(ぼだいじやま)
 登頂日: 2013年10月月27日
 地 域: 新潟県新潟市・五泉市
 標 高: 248m   
 天 候: 曇り時々晴れ
 同行者: 郷里の旧級友5名で 


越後の低山シリーズ
 

菩提寺山

 



越後平野展望の低山

  春と秋、郷里の旧友KO君の勤務先が所有する、月岡温泉の素晴らしい保養所をベースに、越後の低山ハイキングを楽しむのが恒例になっている。この秋は、関東近辺に住んでいては、見聞きすることも無い「菩提寺山」(ぼだいじやま)という山を、KO君に案内していただいた。

  この山は、新潟市と五泉市にまたがり、越後平野の真ん中にたたずむ丘陵地帯の峰だ。そのため、気軽に登れて、山頂からの展望が素晴らしいとのこと。

  にいがた観光ナビの説明によると、『上杉遺臣一揆の古戦場跡。この山には法華寺という日蓮宗の寺があったが、一揆の際敗れ焼け落ちたということである。静かなたたずまいの中、往時の武士たちの痛恨の声が聞こえてくるようである。』

 

ランチを持って、ゆっくりと

  登山口は、新潟市秋葉区(旧新津市)の石油の里というところ。この地は明治時代には、全国有数の出油地帯であったが、平成8年に採掘が終了された。近辺には、石油櫓の遺構や資料館など、往時をしのぶことのできる施設が豊富だ。

  
   石油採掘に使った機具が展示されている石油の里                杉林の中の登山口にて

  天候は曇りだが、薄日も差し、回復基調であり、コンビニで調達したランチを持参し、山頂での展望を期待して、11:35に出発。標準で50分のコースを、メンバーの体力を考慮し、ほぼ倍の1時間半をかけて歩いた。コースは「遊歩道」といって差し支えない、初級者向けの山道だが、前日の雨でややぬかるんでいる。気をつけて歩こう。
 

  
     コースの途中にも石油採掘跡がしばしば現れる                 木洩れ陽さす雑木林の中の道

  コースは、やがて雑木林の中となり、登ったり下ったりが幾度も繰り返されるが、喘ぐような急斜面は少ない。歩いている途中、「パーン、パーン」という音がひっきりなしに聞こえる。農作物の畑から鳥や獣を追い払うための音かと思っていたら、そうではなかった。新津クレー射撃場の音だという。不規則に、ひっきりなしに鳴り響くので、住宅地が近かったらストレスがたまりそう。

  でも、良くしたもので、山頂に近付くにつれて、そのイラつく音は聞こえなくなっていった。空も次第に明るさが増してきた。道が乾いていれば、快適な森林浴を楽しめるコースであろう。私は個人的に、真夏の低山は敬遠するが。

 

思いがけず温かく過ごした山頂

  13:00、標高248mの菩提寺山頂上に着いた。木洩れ陽が差す、雑木林の広場だった。しかし決して平凡な低山の様相ではなく、平野から聳えているだけに、奥武蔵の800mクラスの山よりも、高度感はあるかもしれない。まだ経験が浅く、苦労して登ってきたYYさんの顔がひときわ明るくなる。

  天候は回復してきたが、残念ながら、日本海と佐渡島が見えるほどの遠望は得られなかった。山頂の西側は新潟市〜弥彦山方面、東側は福島県境方面の山々が連なる。山頂にはベンチも東屋もあったが、風がやや冷たい。そこで山頂広場の奥にあった三角形の小屋にお邪魔した。

    
         菩提寺山山頂にて13:00                    穀倉地帯の越後平野(こちらの天気はイマイチ)

  
         東側には福島県境方面の山々が見える                    山頂の快適な小屋で休憩
 

  小屋の中では、管理人(オーナー)の熟年ご夫妻が、暖かい薪ストーブを焚いて、「ミズナ」と呼ばれる山野草(京料理の「水菜」とは違う)の実をせっせと取っていた。個人で自費で管理されている小屋とのことだが、我々5人を快く招き入れてくれた。入った当初、バンバン燃え盛るストーブが熱くて汗が吹き出たが、戸外は晩秋の冷風。しばらくするとストーブの熱がとても心地よくなった。

   
      管理人のご夫妻 ありがとうございました!!              居心地が良すぎて、宴会でもやりたくなります...
 

  思いがけず暖かく、快適な小屋で、ご夫妻と会話を楽しみながら、ゆっくりとランチ休憩。なんだか、あまりに心地よすぎて、ご馳走やお酒を用意して宴会でもやりたくなりそう。気が付くと、かれこれ小一時間もお邪魔してしまった。外のベンチでランチならば、せいぜい30分が限界だったかな。その間も、他のハイカーの姿が見えると、ご主人が「どうぞ休んでいってください」と、小屋に快く招き入れる。お二人は、この年代の人達にありがちな、自慢話を吹聴するわけでもなく、上から目線の対応をするでもなく、無駄な愛想をふりまくでもなく、謙虚で落ち着いたお話しぶりで、それがますます居心地を良くさせてくれたのだろう。

  ご夫妻が不在のときでも、小屋は利用できるようだが、冬は宿泊禁止とのこと。マナー良く利用したいものだ。新潟県でも、この地は冬に雪はそれほど積もらないらしい。

  こんなに小奇麗で快適な小屋を自費で管理されているのだから、休憩料金をとっても決しておかしくないだろう。越後の人の優しさに、心温まる思いで、お礼を述べ、午後2時前に下山を開始。山そのものよりも、天気がイマイチだったことよりも、この山小屋でのひとときが、忘れられない良き想い出になった。

 

下山は急降下で

  上り下りが何度も繰り返された往路とは違い、下山路は、「白玉の滝」を経由するルートで、階段状の急斜面を一気に下った。標高248mの低山とはいえ、海岸から平らに続く越後平野にある山なので、そんなにバカにしたものではない。

       
      下山は階段状の斜面を急降下              白玉の滝を見物(ここは車でも来られます)
 

  急降下が終わると、もう上り坂は現れなかった。林道をたどり、途中、「白玉の滝」を見物して、石油の里に15:00前に帰着。

  山の汗をさっぱりと流したのは、石油の里から車で約10分の小須戸温泉「花の湯館」

  帰路、三条燕IC傍のレストランで、解散したら、来年の春まで会えなくなるであろう仲間と、楽しかった想い出を熱く語りながら食べたステーキが、格別に美味しく感じられた。■

 

菩提寺山ハイキング行程:  
2013年10月27日(日曜)
月岡温泉10:15 === 11:20
新潟市秋葉区、石油の里 11:35 ----- 13:00 菩提寺山頂上(248m) 13:50 ---- 14:20 白玉の滝 14:30 --- 14:50 石油の里 15:10 === 15:30 小須戸温泉「花の湯館」16:30 === 17:40 三条で夕食 18:30 ===(北陸道・関越道)=== 19:45 十日町帰着、解散

 
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