|
Data No. 206 |
2012年11月8日登頂の主な峰 2012年11月9日登頂の主な峰 |
西丹沢の山々
|
|
私は山バッジ収集を趣味としているが、私自身のポリシーとして、バッジを持っていても、未踏の山のものは、保有数に数えないし、当ホームページでも、公開しない。それが、今回の山旅を完遂すれば、一度に4つの山バッジを、私自身が登った証の「勲章」として、「魂を入れる」(HN氏の言葉を借用)ことができるのだ。 HN氏は、知る人ぞ知る、泣く子も黙り、ヒグマも土下座する山バッジ収集の大家です ⇒ 「50カラットの宝物」 当初の計画では、寝袋や食料を担いで、山中の無人山小屋泊りでの縦走だったが、お互いトシがトシなので、荷物を軽くして身体に負担をかけず、麓の温泉入浴も可能で、夕食も少し豪華にできる、「どうし道の駅」での車中泊をベースとした2日間の山旅にしようということになった。 思いがけないカラフルさ、晩秋の西丹沢 11月8日の未明、道志村「どうし道の駅」にてHN氏と待ち合わせ、菰釣山(こもつるしやま)からの下山予定地であるブナ沢下の林道ゲート前にHN氏の車を回送し、登山口の城ヶ尾(じょうがお)峠登山口(水晶橋付近、林道の一般車通行止ゲート前)に私の車で移動する。6:35ゲートをくぐって城ヶ尾峠を目指し出発。クマ出没情報もあり、クマ鈴を鳴らしながら行こう。 林道を歩き始めてしばらくしたところで、物騒な人々と遭遇する。迷彩服に身を包み、銃を構え、顔を黒く塗った兵隊の群れだ。彼らの目は半分血走って、うつろで、不気味だ。それでもすれ違いざまに、半数の人達は丁寧な挨拶をくれた。最後尾には救護班員も就く。後で聞いた話だが、これは自衛隊員の「サバイバル訓練」の一環で、数日間、飲まず食わずの山歩き訓練なのだそうだ。この日は、10数人のグループに、4〜5回遭遇した。日本に有事が勃発した際には、彼らの力に頼ることになるのかな。領土問題で近隣諸国と軋轢が生じている昨今、今まで想像したこともなかった感慨にとらわれる。 城ヶ尾峠へは、やがて林道から離れて、本格的な山道となる。紅葉は盛りだった。赤、橙、黄に色付いた林が、期待していなかっただけに新鮮で美しい。 林道ゲートから、縦走稜線の城ヶ尾峠へは、意外と短時間の1時間弱で到着。峠の標高は1,160mであり、目指す畦ヶ丸の標高は1,292.6mだ。従って標高差は、130m程度でしかない。ほう、意外と楽な山行かな、なんて淡い期待は、その後、しっかりと裏切られる。 幾つものピークを越えて畦ヶ丸へ 最初に登りついたピークは、大界木山(だいかいぎやま)1,246mだった。目指す畦ヶ丸(あぜがまる)との標高差は何と50m弱。紅葉を眺めながらの稜線漫歩かと期待したが、そうは問屋が卸さなかった。 この西丹沢の縦走コースは、稜線の樹木が落葉して、盛夏よりは展望がきいているのだが、完全に視界の開けるところが無い。従い、目指す山の位置や姿も判じにくく、各山の特徴も乏しいので、歩くべきコースが、なかなか視認できない。しかも、この稜線コースは、巻き道を一切設けず、しっかりと各ピークのてっぺんまで登らされ、しっかりとまた鞍部までの急降下を強いられる。それが幾度も繰り返された。それでも、畦ヶ丸への行きは、まだ元気なので良かった。 9:15、ようやく最初の目的地、1,292.6mの畦ヶ丸(あぜがまる)山頂に到着。樹間から富士山も眺められ、冷たい風も収まり、気分良く登頂祝をする。 今日は、城ヶ尾峠まで往路を戻り、峠から反対側に縦走して菰釣山を目指す。その城ヶ尾峠までの戻りが辛かった。先刻歩いたコースなのに、幾つのピークを上下したかの記憶までは無い。だから、バテ気味で最後の大界木山への登りかと思ってたどり着いたピークが、まだ手前のピークだったときのショックは、相当大きかった。 菰釣山も更に遠く でも、ばててはいられない。城ヶ尾峠から、菰釣山(こもつるしやま)は、距離が畦ヶ丸までよりも長く、3.8キロもある。後半のコースも、城ヶ尾山(1,199m)と中ノ丸(1,280m)という峰を越えねばならない。ずっと樹林帯の中の歩きだが、好天に恵まれ、紅葉・黄葉の素晴らしさに感謝しながら黙々と歩こう。ランチは菰釣山でと考えていたが、途中の中ノ丸で空腹に耐えられず、ちょっとだけ腹ごしらえ。 中ノ丸を越し、鞍部に下ってからの、菰釣山の登りは、急ではなかったものの、長く長く感じられた。途中の避難小屋を越してからが、特に長かった。そして、13:50、待望の菰釣山山頂(1,379m)に立つ。この日で、一番展望の開けた場所だ。 今日はもう、ここからはひたすら下りだ。展望を満喫し、大休止。素晴らしい景色を眺めながら、HNさんから意外な弱気発言が出た。曰く、「明日は頑張らないかもしれない...」だって。しばらく見ぬ間に、ややメタボちゃん体形になられたので、今日のアップダウンの繰り返しは堪えたのかも。しかし、日本300名山を完登した人です。私は心配しませんでした。 菰釣山からは、避難小屋の下まで戻り、そこからブナ沢沿いに急降下する下山道に入る。もう足が嫌がっていたが、ひたすら歩くしかない。後半は荒れた林道歩きとなり、15:20、HN氏の車が見えたときは心底ホッとした。この日、出会ったのは、迷彩服でサバイバル訓練する自衛隊員達だけであった。 温泉に浸かり、道の駅駐車場で豪華ディナー! 下山後は、道志村の日帰り温泉「道志の湯」に直行し、山の汗をさっぱり流す。そして、道の駅駐車場に戻り、車の中で豪華ディナー宴会後、19:40解散しマイカーホテル宿泊。 11月8日の行程:
元気回復、もう一日頑張ろう! HN氏は、私が彼の車の窓ガラスをコンコンと叩いた午前6時まで爆睡されていた。そのお陰で、体力が回復されたようで、彼の昨日の弱気発言は、取り消しということに。この日は、道志の湯奥の登山口駐車場に車を置き、白石峠から加入道山(かにゅうどうやま)と大室山(おおむろやま、大群山とも書く)をピストンするもの。 遠い稜線、遠い大室山... 2日目は、「道志の湯」奥の白石峠への登山口駐車場から、7:00出発。この一帯は、横浜市の水源地になっていて、雨水を涵養するための植林がなされている。市の各区の持分もあるのか、区名が表示された立て札が各所にある。背の高いブナ林の中に、まだ年数の経っていない若木の黄葉が、ハッと目を惹くほどにきれいだ。 稜線へのルートは、こういう植林が多いので、前半は急登も少なく、楽に歩けた。しかし、昨日は小一時間で稜線の城ヶ尾峠にたどり着けたが、今日の白石峠までの歩きは長かった。それもそのはず、昨日は、かなり坂道を登った林道の通行止め個所まで車で行き、稜線の城ヶ尾峠は1,190m程度だったのに、今日はずっと標高の低い地点から、1,400m近い稜線まで登るのだから。かなり下から稜線は見えていたのだが、いつまでもいつまでも登り道は続いた。 凡そ2時間弱で、登りついた稜線は「白石峠」ではなかった。白石峠は既に稜線の0.3km右下だという表示がある。途中で分岐点も視認しなかったが。しかし、少しだけ「得をした」って気分。 稜線に出ただけで、ホッとした。加入道山へは、好もしい雰囲気の稜線を登ってゆく。標高1,418mの加入道山頂上は、馬の背状稜線のプロムナードといった雰囲気で、のんびり休憩をするには良いところだ。登山口から丁度2時間の行程だった。今日の目標は、更に奥の大室山である。その目指す山は、樹間に見えている山だ。見たところ、昨日のような幾つものピークのアップダウンの繰り返しは無さそうか...。 しかし、やはり、今日も、そうは問屋が卸さなかった。加入道山から前大室山の間は、楽な山稜のプロムナードだったが、前大室山を越えてから、それまで全く見えなかった深い鞍部に急降下させられ、本当の大室山へは、その分しっかりと急な登り返しを強いられた。 急登をこなすと、山稜部は緩やかな道になる。そして、湿地帯でもないのに、橋状の木道が敷かれた場所があった。何かの植生を保護しているのだろうか。 うれしかった大室山登頂! 午前10:45、登山口から4時間弱で、待望の大室山頂上(1,587m)に到着した。うれしい、本当にうれしい。昨日のきつかった稜線歩きが、また今日も繰り返されるのかと案じていたが、目標としていた4つの峰に、こうやって好天下に登ることができた。今日は、この山頂で、祝宴をあげれば、往路を戻るだけだ。 山頂では、とてものんびりした。目的を果たした小春日和の山頂で、HN氏としばし語らい、残った食料を全部平らげながら美酒を楽しんだ。山頂では、単独行の登山者数人と出会った。結構な年配者なのに、巨大なザックを背負い、大縦走している人も居る。他の出会った人も、相当パワーがありそう。残念ながら、いま流行の山ガールにはお目にかかれなかった。 往路を戻る下山は、もう鼻歌気分。苦しい登りでは見えなかった美しい紅葉・黄葉に、改めて目を見張る。辛い上り下りが連続の山域だったが、話し相手のHN氏がいて、何も退屈せずに楽しめた。宿願であった西丹沢の山歩きを実現させてくれたHN氏に、心から感謝します。実によく歩きましたね。この日、帰宅後は入浴してバタンキュー。翌日は疲労のため、昼過ぎまで起床できず、身体の節々が痛んだ。しかし、肉体の疲労とは裏腹に、気持は大いに満たされていた私であった。
最後に、丹沢関係者に物申す いやはや、丹沢という山岳エリアに関しては、大昔から、ガイドや地図や現地に表示してあるコースタイムに「問題」がある。このエリアは、よほどの「体力自慢の阿呆」が案内書を執筆しているのか、ブルーガイド社や昭文社の地図でも、私自身が長年山を歩いていて、大概の他地域では表示CTの約7割程度の所要時間でこなせた距離を、この丹沢地区のものでは、いくら早足で歩いても消化できなかった例が何度もあった。そんな「危険」ともいえる「誤表示」は、あれから20年以上も経っているので修正されているかと思ったが、現地表示でもまだ無理なCTが表示されている。 私自身や、今回同行していただいた日本300名山も完登したHN氏の今の足が、速いなどと自慢するつもりは無く、もはや前期高齢者の仲間であるが、ごく平均的な登山者の足より遅いとは思わない。登山を嗜む人は、ガイド、地図、現地表示を見て、登山を計画し、交通機関の時刻も調べて、実行するのだが、特に今のような晩秋で日暮れの早い季節には、歩ける時間帯も限られてくるし、日没後の山道は危険でもある。早急に、このエリアのコースタイム表示を、一般的登山者が安心して計画を立てられるよう、全面的に見直して欲しいものです。■
11月9日の行程: |
|
|
|