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Data No. 190


Data: 
奥武蔵日向山(ひなたやま)
 登頂日: 2011年4月16日
 地域: 埼玉県、奥武蔵
 標高: 627m    
 天候: 快晴

秩父羊山公園
 訪問日: 2011年4月16日
 地域: 埼玉県秩父市
 天候: 快晴


花一杯の野道
 

奥武蔵日向山

フラワーハイク

(& 秩父の芝桜)



人知れぬ、お気に入りの場所

  3月11日の大震災後、どこにも出かけず、誰にも会わず、世の中は娯楽自粛ムードが蔓延していて、暗い気持の日々が続いていた。震災被害と犠牲者のあまりの多さに心は痛み、いつまでも収束が見えてこない原発事故の報道にもイライラする。避難を強いられている住民にとっては、思うことはもっと強烈だろう。

  それでも、世の中には、やっと「自粛」だけではいけないという空気が生まれてきた。娯楽や飲食を皆がこぞって自粛ばかりしていたら、日本の経済は回らないし、物的被害が何も無い地域や業者にとっては、「自粛と言う名の二次災害」なのだ。そこで、電気不要のお日様の下でお花見ハイキングをやろうと、6人の仲間の意見がまとまった。

        
                   桜が満開の芦ヶ久保駅前を元気に出発

  そこは、西武秩父線の芦ヶ久保駅から、果樹公園村の中を1時間ほど登っていった、あしがくぼ「山の花道」日向山(ひなたやま)というところ。公園として整備されたのは10年くらい前だろうか。昔からある「木の子茶屋」という山里料理を提供する茶屋近くの山の斜面に、ロウバイやツツジが植えられ、春先には北斜面にカタクリの花が咲き、もちろん桜の花も咲くが、人がいつも少なくて、静かにアウトドアランチができることから、1月〜4月の陽だまりハイキングには絶好で、私やFKさんの「お気に入り」の場所だ。車道が通じ、駐車場もあり、アクセスは容易だが、美味しくアウトドアランチをするには(そして一番大事な美味しいお酒を飲むためには)、駅から花一杯の野道をゆっくり登ってからの方が良い。
 

何というカラフルな野道!

  芦ヶ久保駅からは国道299号線を渡り、果樹公園村の中の道を、「木の子茶屋」という看板表示に従って登っていけばよい。国道を横断したところから、やや急な舗装道路を登る道が左に、車道が右に分かれるが、あまりゼイゼイハアハアしたくなければ、距離は長くても、緩やかな車道の方が楽かも。(我々は右側の車道コースです。)

  
                 ありとあらゆる春の花に囲まれて、野道を登ってゆく

    

    
                       花一杯の果樹公園村では、イチゴ狩り農家も営業中

  ゆっくりと登っていけば、カラフルな暖色の花畑が次から次へと目を楽しませる。桜はいたるところで満開、ピンクの桃の花、レンギョウの鮮やかな黄色、ミツバツツジの紫色、白いプラムの花畑、そしてヤマブキやタンポポやスミレも、競うように人目を惹こうとオーラを発する。

  「ソメイヨシノだけの花見よりも、ずっと素敵だね」、との声を聞くと、花達も、とても誇らしげに見える。どの花も、ちょうど今が一番の盛りで生気が良い。

    
                     鮮やかな彩を添えるミツバツツジ

     
                   
白い花を咲かせるプラム畑の彼方には秩父の盟主、武甲山

  果樹公園の中を、ゆっくり1時間ほど登ってゆくと、目的地の日向山公園だ。花が咲き乱れる公園なのに、絶好の快晴なのに、人出は極めて少ない。ここには先述の「木の子茶屋」があり、駐車場や水洗トイレもある。公園の中、東屋の裏側にある北斜面では、カタクリの花がそろそろ見頃を迎えていた。カタクリの群生地は、かなりな急斜面を下っていく。しかし、全く人気が無い。昔は、地元の人々がテントを張って農産物の抽選会や観光案内を行う「カタクリ祭り」を開催していたものだが、そんな気配は微塵も無かった。祝い事や祭りは徹底した自粛ムードに染まっているのか...。

  
                今年は春先の寒気で、カタクリの群落はまだまだ少なめ

  カタクリ見物はそこそこに、東屋のそばで、待望の花見ランチ会を催す。尚、日向山の山頂(627m)は、この東屋からほんの10分も登れば到達するが、もう何度も登ったし、山頂は樹木が茂っていて展望は利かない。山頂自体には、あえて毎回登る魅力は無いだろう。

   
              花より団子ならぬ、花よりワインかな...春の陽だまり宴会は極楽気分

  春の花に囲まれてのアウトドアランチ会、それは本当に気分爽快で、何でも美味しい。皆が持ち寄った食材を調理し、2時間ゆっくりと楽しむ。何より、震災以来、実に久しぶりに、人とお喋りしながらお酒を飲めることが、私にはとてもうれしい。
 

秩父を彩るピンクのカーペット

  楽しく食べ、楽しく飲んだアウトドアランチ会のカロリーを消費するため、もうひとつの目的地、秩父羊山公園の芝桜見物に向かう。日向山からは、西武線で芦ヶ久保の次の駅である横瀬駅を目指して山を下り、横瀬駅からは野道を道標に導かれて歩いてゆく。日向山からは、約2時間弱の行程だ。

    
              例年よりも花は遅れていて、三分咲き。GW頃にはちょうど見頃になります! 
    

    
             羊山公園にて。公園内にてコーヒータイム(コーヒーじゃない人もいる!)

  今年は春先の寒気の影響で、例年よりも開花は遅い。しかし、桜は満開。ここで二次会を催し、コーヒータイム。あ、別にコーヒーじゃなくて、ビールでも良いんですけどね。車のハンドルを握らない電車の旅だから。

  羊山公園から西武秩父駅は、20分坂道を下れば到着。逆コースは、急な坂道を登るので、ちと辛いかも。

  この日、歩いたコースは、都内在住でも、西武池袋駅を9:00頃発の電車に乗り、芦ヶ久保駅から日向山公園まで1時間登り、ゆっくりランチ、そして横瀬駅経由で秩父羊山公園の芝桜見物をしても、日のまだ高いうちに西武秩父駅に充分帰着可能です。素晴らしい春の花旅が満喫可能な一日コースです。■ 


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