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Data No. 165


Data: 
登頂日: 2007年8月26日
地域: 東京都奥多摩
標高: 929m
天候: 晴れ
登頂時年齢: 53歳
同行者: NSさん、RSさん

 

奥多摩 御岳山

レンゲショウマの花畑



東京の避暑地

  私が東京での生活を始めた三十数年前は、真夏でも気温が35℃を超える日なんて無かったのではないだろうか。暑がりの私でも、エアコンも扇風機も無いアパート暮らしをしていたのだから。ところが近年は、35℃を越える猛暑日が当たり前のように続く。着実に進む地球温暖化の影響は末恐ろしい。

  麓が暑いときは、なるべく近い涼しい山でも行きたい。でも、麓から歩いて登るとびっしょり汗をかく。それも山の楽しみの一つ。しかし、日頃の疲れが溜っているときは、たまにはラクして楽しみたい。東京近辺でそんなことが出来る場所の筆頭といったら、この奥多摩御岳山(みたけさん)ではないだろうか。新宿から青梅線直通快速で約90分、御嶽駅前からバスに10分揺られてケーブルカー山麓駅に到着。そして最大斜度29度の急斜面を這い上がるケーブルカーに乗ってたどり着く山頂駅は、麓より気温が確実に5℃は低い標高800mの避暑地だ。

   
    参拝客で賑わう御岳神社(当日の写真にあらず)             ケーブルカー山頂駅から近いレンゲショウマの花畑

  ケーブルカー山頂駅傍にも展望台があるが、ここまで来たら、やはり御岳神社は参拝したい。ケーブル駅からゆっくりで徒歩約30分、宿坊街の坂道や階段を上って行く。下界の猛暑の中で、じっとしていても出て来る汗とは違って、身体を動かすことによる汗だから、その後のアウトドアランチも美味しい。

  本来が信仰の山なので参拝の人出も多く、特別な準備をしなくても、飲食店、宿坊、土産物屋が沢山あって、不自由はしない。夏の終りの週末、有志3人で、アウトドアランチパーティを楽しむべく、御岳山に出かけた。我々はビール、ワイン、食材は全て持参した。山の上で売っているものはべらぼうに高額だから。ザックの重さは、そう考えると耐えられる。


レンゲショウマの花畑

  「レンゲショウマ」という花は、近年まで知らなかった。最近、奥多摩の御岳山がその名所だということで人出が多くなっているらしい。我々が訪れたこの日も、幸いまだ見頃であった。

  レンゲショウマとは、「太平洋側の深山の落葉林内に生えるキンポウゲ科の多年草」で、開花時期は夏〜秋だという。名前の由来は、花がハスに似ていて、葉がサラシナショウマに似ているということで、蓮華升麻(レンゲショウマ)となったのだという。

  幸いにも、その花の群生地は、ケーブルカー山頂駅から右方向へ、徒歩で僅か10分ほどの山の斜面であった。労せずして名物の花畑にたどり着ける。樹林帯の中の日陰に、白い花が見事に群生していた。一番の見頃は8月初旬頃だというが、7月末〜9月初旬まで楽しめるそうだ。

  
      レンゲショウマの花                              全部下を向いているので写真を撮りづらい

  交通が便利なこともあって、山の斜面は大賑わいであった。レンゲショウマの可憐な白い花びらは、おしなべて下を向いている。決して横や上を向かない。背も低い。従って花を写真に撮るには、地面にしゃがんで、女性のスカートを下から覗き込むような格好をせざるを得ない。大勢の老若男女が真面目な顔して、地べたから花を覗き込んでいる姿は、かなり面白いものだ。


山での楽しみ

  我々はレンゲショウマの花観賞を楽しんだ後、早速本来の目的であるアウトドアランチパーティを楽しむ。場所は、長尾平という、御岳神社から大岳山への縦走路を僅かに進んだところにある展望台。ここまでくると、いわゆる神社の参拝客や観光客はほとんどいなくなる。

  この展望台からは、よく晴れていると東京方面が見渡せる。テーブルやベンチもたくさん配置されていて、清潔なトイレもある。涼しい木陰のテーブルを陣取り、ビールやワインを開けて、オードブル、豚肉と野菜のセイロ蒸し、ラーメンなどを囲んで延々4時間かけて楽しんだ。そしてベンチに寝転んで昼寝。

      
    楽しく美味しいアウトドアランチパーティ                      奥多摩駅近くにある「もえぎの湯」

  涼しい山とはいえ、往復に1時間程度は坂道を歩くので、下山後は汗を流したい。その場合は、青梅線終点の奥多摩駅から徒歩10分のところに奥多摩温泉もえぎの湯がある。しかし、残念なことに、ハイキング名所のこの沿線で、温浴施設はこの1箇所しかなく、独占営業である。従って週末に行くと、いつも整理券を配られて順番待ちをさせられるのが難点だ。是非とも、人口の多い青梅駅あるいは御嶽駅から徒歩圏内に、決して温泉ではなくても良いから、今流行りのスーパー銭湯のたぐいの登場を切望する。■

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