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Data No. 161


データ:
登頂日: 2006年9月30日
標高: 1,537m
場所: 新潟県中越地区
天候: 曇時々晴
登頂時年齢: 52歳
同行者: 単独行

 

越後 守門岳
 


越後平野から目立つ魚沼の明峰

  この山が存在する魚沼地方からはそれほど目立った山ではないが、日本一の穀倉地帯である新潟平野から、南東の方向に見える、優美な裾野を引く名峰、それが守門岳(すもんだけ)である。

  忘れもしない今から2年前の10月23日、仲間とこの守門岳登頂を計画していた。しかし、天気予報がいまひとつすぐれなかったので気合が入らず(結局予報は外れて現地は好天だったらしいが)、急遽行先を近場の奥多摩御岳山に変更し、下山後に温泉でのんびりした後、奥多摩駅で夕刻の上り電車に乗り席に座った。その時に、列車が連結されたときのようなドンというショックを感じた。あの新潟県中越地震が発生したのだ。もし予定通りに守門岳を登頂していたら、どこか山の麓の温泉センターで休憩中か、あるいは帰路のドライブ中に、この震災に遭遇していた筈だった。故郷が私に来るなと暗示をかけたのだろうか。私の生まれ故郷の多くの人が悲惨な目に遭った大災害から私が免れたことを、「幸運だった」などとは、とても言いたくないが。

  そんな印象が悪いのか、今回は仲間が集まらず、単独行で故郷の名峰を訪れた。9月30日早朝7:30、魚沼市大白川集落の大原スキー場奥にある登山口から、大白川コースを往復する。

                       
大原スキー場奥の登山口 

                     
                               エデシ付近から仰ぐ守門岳山頂

  山菜を養生している山麓を登り始めると、すぐにブナの大木が目立つ林の中の急登が始まる。あまり人が歩かないコースなのか、かなりきつい登りだし、赤土の急斜面には水平なステップが無く、ひどく滑りやすい。雨上がり後で地面が湿っぽくなかったのがまだ幸いだった。鬱蒼としたブナ林を登り続けると、やがて痩せた尾根道に出て、傾斜は少し緩んでくる。この時点では山頂部は雲に覆われて見えないが、右側の谷底には、まだ残雪が残っていた。豪雪地帯の山であることを再認識する。

  しかし、相も変らず新潟県の人は他所からの人を待遇するのがヘタだ。この登山コースには、地図では「エデシ」とか、「小烏帽子」という中継地点の地名があるのだが、歩いていても全くそのような地名標識は無い。従って、自分が何処まで登ってきて、あとどれ位かかるのかの目安が立たない。山岳観光地としては隣接県に全くひけを取らない資源を持ちながら、PRが稚拙なのに加えて、客を迎える態勢も落第点だ。

   
        ニッコウキスゲの咲き残りも                      のびやかな山頂の稜線

  見える景色と自分の感覚で行程を判断するしかない。尾根道を登りつめると比較的緩やかな稜線に出る。草原にはニッコウキスゲ等の咲き残りがまだあった。真夏には素晴らしい花畑になるであろう。稜線に出ると、樹林帯も消えて、ゆるやかな道をたどり、山頂直下で再び急登になる。しかし、それも僅かで石祠が幾つか鎮座する守門岳山頂に出た。残念ながら雲に覆われていて遠望は利かない。そして風も無いので雲がどいてくれない。しかし、私は嬉しかった。晴れていれば、穀倉地帯の越後平野、日本海、佐渡島まで遠望できるとのことだが、故郷だけにその景色は私には充分に頭の中に思い描ける。日本各地の山にいろいろ遠征してきた自分が、ようやく故郷の名峰、守門岳に登ることが出来た。ちょっと遅すぎたのかもしれない。

  
       守門岳山頂、1,537mにて                      山頂直下の湿原では木道を整備中だった


  山頂での先客は熟年男性二人のみ。やがて彼らが下山すると、山頂は私一人だけになった。ゆっくりと弁当を広げ、ビールの缶を開けて、登頂祝とした。■

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行 程
9月29〜30日:
入間23:30 ---(関越道、R17)--- 2:20 道の駅ゆのたに(仮眠) 6:30 ------ 7:10 
大白川登山口 7:30 ==(0:30)== 8:00 エデシ ==(0:45)== 8:45 小烏帽子分岐点 ==(0:50)== 9:35 守門岳(1,537m) 10:10 ==(1:35)== 11:45 登山口帰着 12:00出発し、長岡市内の温泉センター探訪後帰路につく。
(注意: 上記の所要時間は、絶対に山行計画の
参考にはしないで下さい。このコースよりも、二口(猿倉橋)コースのほうがずっと歩き易いそうです。)

 

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