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Data No. 157

 データ:
 登頂日: 2005年11月19日
 標高: 1,659m
 場所: 山梨県
 天候: 快晴
 登頂時の年齢: 51歳
 同行者: 5名のFriends


白州 日向山

 



【知られざる展望の名山】

  白州の日向山(ひなたやま)?ええ〜っ、聞いたこと無いね。う〜ん、どうかなあ...。MKさんから山行計画を知らされての最初の印象であった。だから、あまり期待していなかった。

  11月19日朝8:30、大月駅で6名が集合し、我が車で中央道を飛ばし、韮崎IC経由で白州町の奥にある狭い林道を表示に従ってぐんぐん登ってゆく。天気は抜群だが、淋しい林道だった。「こんな日にこの山を登るのは、我々だけかもしれないね」、「アハハ...」、「熊に注意って看板があるよ。出会ったらだれに犠牲になってもらう?」、「アハハ...(;^_^;)」。なあんて、私だけでなく、皆がそんなに期待していた風でもない。ところが、午前10:20頃、登山口の矢立石に着いて驚いた。それほど広くない駐車スペースは数十台の車で埋まり、あぶれた車は路肩に縦列駐車している。我々の後からも更に数台の車が到着した。

     カラマツ林の中を登ってゆく 

  へえ〜、知る人ぞ知る山なのかな。少し意識を改め、登り始めたのであった。矢立石からの登山道は、枯葉を踏み、カラマツ林の樹間から南アルプスの甲斐駒ケ岳の姿を垣間見ながらの比較的緩やかな道であった。この日は「晩秋の冬晴れ」とでも言おうか。空気はキリリと冷え込み、空は青く澄み渡り、枯葉が風に舞う。汗もそれほどかかない。登山開始の遅かった我々は、下山する人々にもかなり会った。

   
               山頂から真正面に見えた八ヶ岳                   日向山山頂の様子


  凡そ1時間20分で、トップを歩いていたMKさんが「わあ、すごい」と感嘆の声をあげた。その声につられて樹林帯を抜けると、白砂に覆われた山頂に飛び出し、真正面に八ヶ岳が裾野を大きく広げていた。麓は鮮やかな紅葉に染まっている。振り返れば山頂部に雪を載せた甲斐駒ケ岳が黒々と逆光の中にのしかかる。彼方には鳳凰山と富士、甲府盆地を隔てて奥秩父山塊も見える。標高がせいぜい1,600mの山なのに、一万尺の鳳凰山の稜線を彷彿とさせる花崗岩のオブジェが白砂の尾根にニョキニョキと生えている。その姿は人や動物の顔のようでもあり、怪物の姿のようでもある。思いがけない山頂の美術館に、皆で感動した。

   日向山山頂にて(背景は八ヶ岳)

    山頂付近の花崗岩のオブジェ  

          スキー場のゲレンデのような雁ヶ原
 

  こんなに素晴らしい景色が楽しめる山なのに、何故あまり紹介されていないのだろう。これは、あの狭い林道と限られた駐車スペースの関係で、これ以上マイカーで押し寄せるハイカーが増えては収拾がつかなくなるからか。

  山頂では、林の中で冷たい風を避けて、KKさん差し入れのボージョレ・ヌーボーをいただきながら、ゆっくりランチを楽しんだ。時折、強い風が来て、食器の中が砂っぽくなるが、まあ多少のことは許そう。

    
     どっしりとした甲斐駒ケ岳がのしかかるよう                ほっと心がなごむ山腹の秋色


  ランチ後、花崗岩のオブジェ付近で写真を沢山撮り、下山には、まるでスキー場のゲレンデような白砂斜面の雁ヶ原(かりがはら)を経て、錦滝へ下るルートをとる。しかし、このルートは、雁ヶ原を過ぎると、木の根をつかみ、両手両足をフルに使わされる急斜面が続いた。その急斜面は錦滝で林道と合流して終る。滝は水量も少なく、大したものではない。錦滝からはところどころ崖崩れのために車が通行出来なくなっている林道をのんびりと下る。山の斜面の紅葉・黄葉が青空に映えてとても美しい。

  ランチ宴会に時間をかけた我々が14:30に矢立石駐車場に帰着したときには、車の数は片手で数えられるほどに減っていた。

  山の汗はR20の道の駅、蔦木温泉で流し、この日はENさんが手配してくれた富士見高原のJ信金保養所に泊って登頂祝とした。

  翌日も超快晴に恵まれる。八ヶ岳高原道路をパノラマ見物しながら清里へ抜け、佐久からR254を進み上州荒船山に登った。良く晴れていたものの、強烈に寒い一日だった。山頂ランチもほどほどで、下仁田の「荒船の湯」で温まり、山行をしめくくる。■

 

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