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Data No. 143

 データ:
 登頂日: 1999年7月30日〜8月1日
 金峰山標高: 2,595m
 国師岳標高: 2,592m
 北奥千丈岳標高: 2,600m
 場所: 山梨・長野県境
 天候: 快晴
 登頂時の年齢: 45歳
 同行者: FKさん、MKさん

 

奥秩父 大弛峠


金峰山、国師岳、北奥千丈岳

 


【猛暑の都会を離れたい...】

  梅雨明け後、うだるような猛暑の連続だ。翌週に白馬岳(しろうまだけ)登山の計画があったが、FKさんはもう少しどこかで足慣らしをしたいと言い、大弛峠(おおだるみとうげ)から金峰山(きんぷさん)を登るのはどうだろうと話を持ちかけてきた。そこに行けば、奥秩父最高峰の北奥千丈岳(きたおくせんじょうだけ)登山も出来る。何処かの山へ避暑に行きたいというMKさんも、大乗り気で参加となった。

7月30日(金曜)   一路大弛峠へ 

  夜、小手指駅で集合し、中央道で勝沼へ。そこから雁坂道に出て、牧丘町から牧丘川上林道に入る。しかし、車の腹を擦るような悪路の連続で、途中で分岐点を見落として、道も間違えてしまうほど。

  夜空に、富士山が大きな黒いシルエットになって浮かび、山体にジグザグの光の帯が見える。夜間登山している人々の懐中電灯の灯りである。ようやく1:40、大弛峠の駐車場に到着。

  車を降りると爽やかな空気にほっとする。思わず涼しいねえ!と声が出る。ここは海抜2,360mで、東北最高峰の燧ケ岳より高い。車の座席をフルフラットにして仮眠の仕度をし、ナイトキャップを楽しむ。車酔いしたMKさんも、回復が早くサンドイッチもワインも少し口にした。
 

7月31日(土曜)     名峰、金峰山を往復 

  爽やかな朝。森の木々が朝日を受けてまばゆい。車の外に出るとゾクッとするほどに寒い。サンドイッチとコーヒーの軽食をとった後、6:20仕度を整えて金峰山へと出発。

  木漏れ日の射す樹林帯の中を一時間登って行くと、朝日峠を経て、最初のピークが標高2,581mの朝日岳。しかし、山頂の展望は無い。これは奥秩父の特徴である。しかし、その山頂直下の露岩の斜面で大展望が展開した。目指す金峰山の五丈岩が、山の本体と全く異質なものが山頂を突き破ったようににょっきりと聳える。その背後に南アルプスがくっきり。富士山や八ヶ岳連峰の展望も広がっていた。

  金峰山を目指す(背景は南アルプス)  

    均整のとれた富士山が雲上に

  樹林帯から開放されて、鞍部へ下り、ゆるい傾斜を登り返して行くと、日本庭園のように大きな岩のごろごろする斜面となり、やがてあっけなく金峰山(標高2,595m)に到着した。8:20、大弛峠から丁度2時間。奥秩父山塊では一番アルペンムードのある山であり、遮るものの無い大展望を誇る山頂だ。

  
        南アルプス、白峰三山                             金峰山頂上の五丈岩

  五丈岩は一体どうやってこの山頂に出現したのだろう。下界は大海原のように霞み、南アルプスをはじめ、八ヶ岳、その背後には北アルプスが見える。しかし、暖冬の上に猛暑なので、一万尺の稜線に残雪は乏しい。西には巨大な独立峰、富士山が超然と聳える。南東の奥秩父山塊は茫洋とたうねりを見せる。

  こんなに空気が澄んで、無風快晴の山頂での食事は、それは楽しいものだ。まだ朝食と言っても良い時間だが、冷たいビールを飲み、熱いラーメンをすすり、持参のつまみでワインも楽しむ。

   
           金峰山頂、背景は八ヶ岳                      瑞牆山の岩峰を見下ろす

  10:30、ゆっくりと往路を戻る。これから山頂を目指す人々も多くなったが、大型バスの入れない大弛峠なので団体の来ないのが楽だ。正午過ぎに大弛峠に帰着。

       大弛峠で昼下がりのビールタイム

  大弛小屋で幕営申請をしてテントを張る。テントを使うのは穂高岳涸沢以来ようやく2度目である。私とFKさんがテントで、MKさんは車で楽に眠ってもらう。テント設営が終わり、小テーブルを出しビーチパラソルを広げて日除けにする。下山後の昼下がりは冷たいビールタイムを楽しみ、昼寝をむさぼる。そして日没前の夕食は焼肉パーティ。日中は日差しが熱かったが、日が陰ると涼しいというよりも寒い。エアコンかけっぱなしの下界の生活が嘘のよう。

  暗くなる頃には、もう眠くなった。久しぶりのテント生活だが、風呂に入れない不快さは全く感じない。空気の乾いていることは本当に快適だ。いつしかシュラーフにくるまって、快い眠りに落ちた。

8月1日(日曜)    奥秩父最高峰、北奥千丈岳へ 

  早く寝たので夜中に時折目がさめた。風の音が気になったが、一夜明けてみれば天候の崩れる気配も無い。朝食後、この日は峠の反対側の、奥秩父最高峰である北奥千丈岳と国師岳を目指す。

  6:15、出発。急斜面を登って行くと、すぐに「夢の庭園」と呼ばれる大自然の造った日本庭園が現れる。巨岩、ハイマツ、シャクナゲなどが絶妙なバランスで山の斜面を飾る。シャクナゲは、名残の数輪が咲いていた。

       
      「夢の庭園」にて                         まだ咲き残っていたシャクナゲの花

  原生林を登り切った処が、前国師岳。そして、道標に従って緩く下って緩く登り返した所が2,591.8m国師岳である。時刻は6:55。展望は、昨日同様素晴らしい。金峰山が独特な姿を見せる。取りあえずは最高峰の北奥千丈岳でゆっくりしようと歩を進める。北奥千丈岳もあっけなく7:20に到着。この最高峰は国師岳のすぐ傍にある一隆起だ。前国師岳、国師岳、北奥千丈岳と、たいそうな名前を持っているが、これらは、ひとつの山体の山頂部にある三つの隆起でしかない。どうりで金峰山から眺めても山が三つあるようには見えなかったわけだ。

    国師岳への登りからの金峰山

                                         国師岳山頂にて     

       北奥仙丈岳から北アルプスを望む

  はるか北には来週同じメンバーで訪れようという北アルプス白馬岳(しろうまだけ)も見える。FKさんには良い訓練山行になったであろう。自宅にエアコンが無いというMKさんには良い避暑になったであろう。私自身にも極めて快適な楽しい避暑旅行になった。

  パノラマを楽しんでゆっくり下山しても、テントに帰着したのはまだ朝の8:40。暑い下界に下るのは鬱陶しいが、全員明日は仕事なので、テントを撤収し、悪路の林道を三富村へ下る。

  途中、三富温泉白龍閣で西沢渓谷から流れてくる渓流を眺めながら温泉入浴。山の汗をさっぱりと流す。入浴後、天科一ノ釜でアウトドア・ランチ。その後、雁坂トンネルを越えて秩父からR299経由で帰宅。下界はうだるような猛暑が続いていた。■

 

大弛峠山行行程

7月30日(金曜日)
入間20:10==小手指20:30==(中央道勝沼IC)==牧丘町==(牧丘川上林道)===1:40大弛峠

7月31日(土曜日)
大弛峠6:20---7:10朝日岳---8:20金峰山頂上10:30---12:20大弛峠(幕営

8月1日(日曜日)
大弛峠6:15---夢の庭園---前国師岳---6:55国師岳7:05---7:20北奥千丈岳7:45--- 8:40大弛峠9:00===(牧丘川上林道)==10:30三富温泉白龍閣11:30 ===12:00天科一ノ釜13:00===雁坂トンネル===秩父===R299===16:00小手指駅で解散===16:40入間、帰宅

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