Data No. 133 |
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上州 浅間隠山
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上信越国境展望の山 「浅間隠山」(あさまかくしやま)という名前は、上州側から見て、ちょうど浅間山を隠す位置にそびえる為に付けられた名前だという。何だか安易で、芸の無い名だ。しかし、「矢筈山」(やはずやま)という別名もある。私としては、矢筈山という名前の方が、好もしいと思う。 所要時間を見れば、自宅を早朝に出発しても登れない山ではない。しかし、早起きをしての運転は億劫であり、また、我が愛車をフルフラットにしての、登山口での深夜の一杯の楽しさも捨てがたい、FKさんと合意の上、金曜夜に出発。 この日は、北軽井沢から整備された車道を浅間隠山方面に上り、あまり寂しくない程々の駐車スペースで夜を明かす。春の高原の冷気は厳しいものの、車の中で毛布に包まってワインを飲んでいれば極楽である。 快晴の山頂へ 土曜日早朝、車を二度上(にどあげ)という場所に移動させ、7:00過ぎにそこから車道を歩き始める。行く手にはこんもりとした目指す浅間隠山の姿が見えている。しかし、車道歩きがずいぶん長いものだといぶかしみながら歩いていたら、自分たちのミスが分かった。登山口は「二度上」ではなくて、その先の「二度上峠」だったのだ。引き返して車を再移動させるのも馬鹿馬鹿しいので、そのまま車道を延々と歩いた。そもそも、地名が紛らわしい。 ミスはそれだけではなかった。二度上峠駐車場からちょうど道を挟んで登山道がついているので、それをせっせと上ってしまった。しかし、その道は小さな氷妻神社の立つ小ピーク駒髪山へ登る道で、その先へ進む道は無かった。仕方無しに引き返し、更に車道を10分程歩いて、ようやく本来の浅間隠山登山道入口に付いたのは、午前8:05。そこにも駐車場があったので、かれこれ、1時間以上もロスした。 鼻曲山は、まさしく鼻曲りの姿 やれやれ、もっと地図を良く見ておけば良かった。気を取り直し、ようやく山道を登る。標高が1000mを優に越えているこの付近では、新緑はまだ芽吹かず、冬枯れのまま。空気はきりっと冷えている。時間のロスを、穴埋めしようと、早足で歩いた。前半はそれほどの急登ではなかったが、後半はぐんぐん高度を稼ぐ登りになり、周囲の展望が開けてきた。 一度も休憩せず、登山口からちょうど1時間で山頂に立った。9:15。標高1,757mの浅間隠山山頂では360度の素晴らしい展望が待っていた。まだ斜面に雪を残した大きな山体の浅間山が白い煙を吐く。何と言っても、この浅間山がこの山頂からのパノラマの主役である。広大な裾野を広げ、周囲には肩を並べる山は全く無い。一幅の絵になる、とても美しい景色である。 北方の上信越国境の山々は、まだ真っ白だ。故郷、苗場山の台形の山頂が見えている。神秘のテーブルランドのような雰囲気である。関東平野は霞んでいる。近くには、鼻曲山が特徴のある姿を見せる。天を向いた顔の鼻先が捻られたような姿で、なるほどと思う。いつぞや曇天の日に山頂に立った山だが、その姿は今日初めて目にした。 裏志賀方面には故郷の苗場山も 無風快晴の快適な山頂で、ゆっくり小宴を催す。ワインを楽しみながら、フカヒレスープにおにぎりは最近の定番。大パノラマを満喫しながら、2時間弱も楽しんだ。他のハイカーは皆登頂してもさっさと下ってしまう。一時賑わっていた山頂は、我々の貸切となった。のんびりと眠ったようなうららかな山頂で、昼寝でもしたいところだが、11:00過ぎに腰を上げる。登りでハイピッチだったので、下山はゆっくり歩いた。 浅間隠山全景 13:00過ぎ、二度上の駐車場に帰着。亀沢温泉と伊香保露天風呂で山の汗を流し、夕刻帰宅。 今年の「山始め」は晴天に恵まれて成功だった。しかし、地図を良く確かめないと、大きな時間と体力のロスになること、またそれが遭難や事故の原因になるかもしれないことを胆に銘じておこう。■ 1997年4月25日(金曜)〜26日(土曜) |