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Data No. 131

 データ:
 登頂日: 1996年7月13日
 田代山標高: 1,926m
 帝釈山標高: 2,056.9m
 場所: 福島県
 天候: 快晴
 登頂時の年齢: 42歳
 同行者: FKさん

 
会津
 

田代山・帝釈山

 


花の名所の山へ

  田代山は昨年秋、会津駒ヶ岳を登った帰路、観光案内所で入手したパンフレットを見て、訪れてみたい山として浮上してきた。山頂は湿原になっていて、高山植物の宝庫であるらしい。
 

7月12日(金曜日)

  金曜夜、FKさんと東北道を北上し塩原を経て、深夜に会津の舘岩村の湯ノ花温泉を通過。そこからは、一体何時になったら登山口に着くのかと思わせる程、傾斜の殆ど無い砂利道が延々と続いた。1:30、ようやく田代山登山口の標識のある猿倉駐車場に到着。寝酒を飲んで車中仮眠。
 

月13日(土曜日)
快晴に恵まれ雲上の湿原へ

目が覚めると素晴らしい快晴だ。周囲にはかなり車の数が増えて、高齢のハイカーが多い。6:35、駐車場を出発。直ぐに沢を渡り山腹に取りつくような登山道に入る。鬱蒼とした樹林帯の中の急登だ。FKさんは風邪で鼻が詰まり大層呼吸が苦しそうなのでペースを落として登る。

    田代山を目指して出発   

  約1時間強登ると、傾斜が緩み、木道が現れて明るい緑の湿地帯「小田代湿原」に出た。純白のワタスゲが一面に咲き誇る。清楚な感じで好もしい。

    田代山頂湿原

             田代山頂上にて    

小田代から更に20分登った処が標高 1,926mの田代山山頂湿原であった。のびやかな緑の湿原が緩やかな起伏をもって広がり、背景にはまだ残雪をいただく会津駒ヶ岳の稜線が美しい。深緑と高山植物の咲き誇る夏と、純白の残雪を残す山の風景が同居し、そのコントラストが何とも言えない。濃紺色の空の下、どちらもまばゆいほどに光り輝く。鏡のような池塘は、水面下にも別世界でもあるかのように、くっきりと山や森を映す。

     ワタスゲの咲き乱れる山頂湿原

湿原は少しずつ登りになっている。そして、僅かの標高差で咲いている花々の様相が変わってくる。何処にでも元気良く咲いているのがワタスゲだ。登るにつれてチングルマの白い花が元気を回復して行く。目を凝らせば他にも小さな花がひっそりと咲いている。ニッコウキスゲもツツジも咲いていた。

帝釈山にも足を伸ばす。田代山を登り切ると「太子堂」の小屋が現れ、そこから帝釈山へ向かう道は樹林帯の中だ。それ程急な上り下りではないのだが、薄暗い樹林帯の中の道を約1時間、幾つか小さな突起を越して行く。

 たどり着いた帝釈山は、田代山よりもやや高い2,059.6mである。尾瀬の燧ヶ岳が真正面にその姿を誇っていた。そして、周囲には標高が約2,000m強の会津・越後国境の山々が残雪を戴いて輝き、東側には標高がもっと高い日光連山が残雪も無く黒々と横たわる。標高が高い分、山頂の眺めは田代山よりも優れている。この山頂で冷たいビールを飲む。滅茶苦茶に美味い。

     hiutifromtaisyaku 帝釈山頂から燧ケ岳と平ヶ岳

                帝釈山頂上にて 

田代山まで往路を戻り、太子堂を過ぎて湿原を見渡せる処で昼食をとる。田代山には次から次へとハイカーが訪れる。そんなに有名な山ではないと思っていたが結構人気があるものだ。

        花の撮影に余念が無い

下山は往路を下り、14:00、猿倉に帰着。

麓の湯ノ花温泉に宿を探す。途中、「観光案内所」という看板を出した店で老婆に宿の紹介を乞うたら、今日は満員だという。えっ、そんなに混んでるんですか、と聞き返すと、もう少し先の何とか旅館だったら空いているかもしれないという。車を進めて、言われた旅館に宿泊希望を申し出ると、親父が面倒くさそうに奥のおかみさんを呼んだ。我々が今日初めての客らしい。「観光案内所」で満員だったのは、身内の旅館だけのこと。あんな看板を出して、自分の旅館だけをさっさと満員にしてしまうとは、抜け目がないことだ。

そんなわけで、15:00にはゆっくり寛げた。民宿とも旅館とも区別し難い「中谷旅館」という所である。宿から橋を渡った対岸にある風呂場で、窓を全部開け放って露天風呂の雰囲気にして寛ぐ。すっかり我々の貸切り状態で、湯に浸ったり出たり、ビールを飲みながら話に興じたり、1時間以上を風呂場で過ごした。

この宿には後から2組程の客が増えた。夕食は山里らしい料理が出て酒を美味く飲んで楽しんだ。夕食後部屋に帰ったら、翌朝まですっかり熟睡。これでFKさんはすっかり風邪が直ったらしい。

翌日、7月14日は、朝風呂を楽しんだ後、趣向を変え、R252の只見を経由して、小出から関越道を使って帰宅。■


 

7月12日(金曜日)
入間21:00 ===(東北道)== 西那須野塩原IC == 湯ノ花温泉 == 1:40田代山猿倉登山口

7月13日(土曜日)
猿倉登山口6:35 --- 7:45小田代8:00 --- 8:20田代山山頂湿原9:00--- 10:00帝釈山10:35 --- 11:35田代山(昼食休憩)12:45 ---13:15小田代 --- 14:00猿倉登山口14:15 === 15:00湯ノ花温泉

7月14日(日曜日)
湯ノ花温泉9:00 === 舘岩村観光案内所 === 前沢曲り家集落 ==只見 ==(R252)=== 入広瀬村寿和温泉 == 小出 == 塩沢石打IC ==(関越道)=== 19:10帰宅

   
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