山に呼ばれて山歩き Home

日本全国の山ある記

山のバッジギャラリー

ぶらり旅行記

ふるさと讃歌 十日町

お奨めリンク集

Data No. 114

 データ:
 登頂日: 1986年10月19日
 標高: 1,411m
 場所: 群馬県
 天候: 晴れ
 登頂時の年齢: 32歳
 同行者: 

 

上州 榛名山

 



【見慣れた山に初登頂】

  赤城山と、利根川や上越線を挟むように聳えている榛名山を登頂する。私自身にとっても、郷里との往復で、昔から見慣れた山である。

  10月19日朝、伊香保温泉街から、伊香保ハイランドへのロープウェイに乗る。9:30「見晴」という山頂駅に到着。見事な関東平野の展望台だ。先日登った赤城山やその奥の日光連山も、はっきりと見え、麓には渋川から前橋にかけての町並みが広がる。ただ、風が冷たい。

 
                         子持山の彼方に上越国境の稜線

  10時に相馬山を目指し出発。紅葉が盛りの山道であったが、意外にも日曜日なのに誰も歩いていない。淋しい山道は、やや荒れていた。これだけの観光地なのに、榛名山は人気が無いのかといぶかしむ。榛名山の標高は赤城山よりもずっと低い。だからタカをくくっていたのだが、歩き始めてから相当歩き応えのある山であることを認識した。

     意外と厳しいのぼりを強いられた山

  何度か林道を横切るようにつけられた雑木林の道を道標に従って行く。幾つかの小ピークを巻くようにして歩くと、漸く行く手にニョッキリと頭をもたげた相馬山が姿を現した。しかし、この登りはかなりな苦労を強いられた。半分ロッククライミングのようなもので、鎖に体重を掛けたり、木の根を掴んだり、両手両足をフルに使った登りだった。その途中、急に空が暗くなったと思ったら、バラバラバラと激しい音を立ててアラレが降ってきた。顔から血の気が引く。早く下山してしまいたいが、あの難路を引き返すよりは、ここまで来たら山頂を越えて榛名湖に降りた方が楽だと、気を持ち直す。

          待望の相馬山頂上

  幸いアラレは直ぐ止み、青空が戻ってきた。そして、2時間の辛い登りの末、正午丁度にひょっこりと相馬山頂上に到着した。色付いた樹木に囲まれた小広い山頂には神社と沢山の石碑がある。そして意外にも、大勢人が居た。「あれ、何で?」と思ったが、麓を見れば、榛名湖へ通じる道路が下の草原を真っ直ぐに走り、そこからならば私が歩いたルートよりもずっと簡単に登頂出来る。私はわざわざ遠回りの難路を辿ってきたのだ。 何はともあれ、無事に登頂した。冷たい風を避けて、陽だまりの中でランチタイム。榛名湖を囲む榛名富士をはじめとする外輪山の展望が良い。30分程ゆっくり休憩。  

   スルス峠から振り仰ぐ相馬山

     榛名富士と榛名湖の湖面 

  12:30、榛名湖へ向けて下山開始。なるほど、こちらの道は、きれいな階段状になっていて、誰でも鼻歌まじりで歩ける。13:00、急坂を下りきったところが「スルス峠」と呼ばれる場所で、登ってきた相馬山が秋色に覆われて美しい。そこから榛名湖へ通じる車道までは一投足だ。しかし、榛名湖畔バス停まで、舗装道路の歩きが長い。

     榛名富士の右奥が相馬山

  14:00、榛名湖畔到着。榛名富士の裏側にひょっこりと飛び出して見える相馬山を眺めながら、ゆっくりコーヒータイム。バスで高崎駅に下り、夕刻帰宅。10月といえど、北関東の山は冬が近いことを感じさせる。榛名山の彼方、故郷越後に雪の便りを聞く日はもう近い。■

 

         登山記リストへ戻る