山に呼ばれて山歩き Home

日本全国の山ある記

山のバッジギャラリー

ぶらり旅行記

ふるさと讃歌 十日町

お奨めリンク集

Data No. 113

 データ:
 登頂日: 1986年10月19日
 標高: 2,020m
 場所: 山梨県
 天候: 晴時々曇
 登頂時の年齢: 32歳
 同行者: 単独行


甲州 乾徳山

 



【ちょっぴりスリルのある山へ】

  乾徳山(けんとくさん)は、頂上付近で軽い岩登りのスリルを味わえることから、ハイカーの間で人気が高いらしい。ひたすら足で登る山も良いが、たまには適当な緊張感を味わうべく、この山を選んだ。

  朝一番の上り西武電車に乗り、国分寺経由で、中央線高尾駅6:44発の電車に乗って塩山に向かう。この日は山梨国体の開幕日で、甲府での開会式に向かう客が大勢乗り込んで来た。7:51、塩山到着。駅近くのバスターミナルから8:20に出る乾徳山登山口徳和行バスに乗り、秋の色が深まった山間の道を進む。8:55、徳和到着。

  暖かい陽だまりの中で、文明世界から忘れ去られたようにのどかな徳和部落を後に、徳和川に沿って林道を奥深く進んで行くと、30分程で「乾徳山登山口」に着く。そこから林道を離れ、山道を登る。案内書によると、この道を登るにつれて後方に富士山が競り上がってくるとのことだが、今日は雲が多くて見えない。

     
    大勢のハイカーが列をなす                  乾徳山の山頂を仰ぐ

              山頂直下の岩場 

  カラマツ林の中を登って行くと、やがて視界が開け、カヤトの原に白樺が点在する「国師ヶ原」に出る。ここで初めて行く手に、ごつごつした岩の塊を積んだような乾徳山が見えてくるが、先はまだまだ長そう。そこから、ジグザグの急登を登り切ると、「扇平」(おうぎっぴら)という草原だ。中年グループが沢山いた。バスがガラ空きだったので、こんなに大勢の人が居るのは意外だった。

  ここから尾根歩きとなり、傾斜も増す。尾根は次第に痩せてきて、岩や木の根を掴みながらの神経を遣う登りを強いられる。最初の岩峰は5m位の一枚岩を越える。なんだ、こんなものか?と思って先へ進むと、今度はもっと長く高い鎖場が行く手を阻むように現れた。しかし、手掛かりや足掛かりは充分にあって、先の一枚岩よりも楽に登れた。ここを突破すると、待望の標高2,020mの乾徳山頂上に着く。11:30、徳和から2時間半だった。

            乾徳山の頂上にて

  岩だらけの頂上からは、雲の切れ間に奥秩父の山並みが墨絵のように見える。徳和側の斜面はスパッと大きく切れ落ちていて、直下に紅葉黄葉の林が綺麗に広がる。すっかり雲が多くなってしまい、遠くの見晴らしが消えたのが残念だ。30分程休憩の後、扇平まで降りる。

  下りにかかると、岩場でオバさん連中がぐずぐずして渋滞だ。その為、下りにも登りと同じ時間を強いられて扇平に着いた。雨がポツポツと当たりだしたのでラーメンを作るのを諦め、コーヒーとカロリーメイトだけで簡単に済ませる。

  朝登ってきた道を右に見送り、道満尾根を進む。直ぐに1,764mの幕岩山を踏み、牧場の柵に沿って、なだらかなカヤトの原を下ると、程なく急降下となり、林道に出た。林道歩きは僅かで再び急降下となり、僅かに登り返すと道満山(1312m)。徳和部落が足元に見える。急坂を駆け降り、徳和峠で右折し、赤土の抉れた道を下って出発点の徳和部落に14:20に帰着。天気は回復し、爽やかな青空が一杯に広がっていった。

  バス停傍の売店で温かいおでんをつまみに登頂祝いのビールを飲み、15:10の塩山行バスに乗る。続々と下山してくるハイカー達でバスは満席になった。快い疲れとビールの酔いで、塩山駅まで気持ち良く眠り込んだ。■

乾徳山登山行程  

1986年10月19日(日曜日)
入間市5:12 ==(西武、国鉄)== 高尾 6:44 ==(中央線)== 7:51 塩山 8:20 ==(バス)== 8:55 徳和(850m) 9:00 --- 9:30 登山口 --- 11:00 扇平 --- 11:30 乾徳山頂上(2,020m) 12:00 --- 12:30扇平 12:50 --- 13:00 幕岩山(1,764m) --- 13:40 道満山(1,304m) --- 14:05 徳和峠 --- 14:20 徳和 15:10  ==(バス)== 15:45塩山 16:30 ==(急行アルプス58号)== 17:29 八王子 ==(八高線、西武)== 19:00 入間市

       登山記リストへ戻る