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Data No. 110

 データ:
 登頂日: 1981年10月4日
 標高: 1,405m
 場所: 東京都
 天候: 快晴
 登頂時の年齢: 27歳
 同行者: YSさん、NT夫妻

 

奥多摩 御前山

 



【奥多摩ど真ん中の山へ】

  TM社在籍当時の遊び仲間、NT夫妻、YSさんと久し振りに山登りをする。近場で無理の無い山ということで、奥多摩の御前山(ごぜんやま)、標高1,405mに決めた。

  新宿駅で待ち合わせ、8:16発の奥多摩行き特別快速に乗車。中央線を西に向かうと雲ひとつ無い青空の下に富士山が浮かんでいる。絶好の登山日和になった。立川から青梅線に入ると次第に山深くなり、陽だまりの中に眠るような山村の風景が心を和ませる。9:45、奥多摩駅到着。奥多摩湖行きのバスに10分程乗車して「境橋」という処で下車する。

        出発点の境橋にて 

  10:15、橋のたもとから登山道に入る。皆、元気過ぎるほど元気であった。最初はのんびりとした緩い坂道をぺちゃくちゃと冗談を言い、笑い転げながら歩いた。それも30分経ち、1時間経ってくると次第に口数が減り、息も荒くなってくる。それでも渓谷に沿った涼しい山道はなかなか気持ちが良かった。きれいな滝や岩の眺めに理由をつけて予定外の休憩をしてしまうこともしばしば。大小様々な岩の割れ目を流れる渓流がとてもきれいだ。

      渓流に沿って登ってゆく

  やがて道は渓流を離れ、本格的な山道の登りになる。NTさんの疲れが目立ち始めたので、ぐっとペースを落とし、呼吸を整える時間もしばしばとる。落葉松林の中を皆を励ましながら登っている最中に、今度はNT氏の方が足がつったと突然もんどりかえる。体格は立派な人だが、普段使ったことの無い筋肉を使うので、大分こたえたようだ。しかし、頂上は間近なので何とか頑張ってもらうしかない。

                御前山頂上で

  そんなハプニングもあり、標準タイムをやや上回って、麓から約3時間半でようやく御前山頂上に13:40に辿り着く。苦労した所為で、皆満面に喜びを表した。残念ながら、山頂は木が生い茂っているので、見晴らしは利かない。しかし、風が当たらないので、ポカポカ暖かい陽光がとても気持ちよい。もう腹はぺこぺこ。NT夫妻とYSさんの作ってくれたお弁当を広げ楽しいランチタイムの開始。おにぎり、チキンサラダ、卵焼き、その他いろいろ。ひとりで山に登った時に簡単に済ませる食事よりもはるかに美味しい。登りの疲れを忘れて無心で平らげる。頂上には小さな土産物屋もあり、おばあさんが一人で管理していた。とても親切な人で、我々に味噌汁を振舞ってくれた。食後はたっぷりと休憩し、記念撮影をしたり8ミリカメラを回して過ごす。

          下山途中の惣岳山

  15:00、奥多摩湖へ向けて下山開始。一旦下って少し登り返すと惣岳山。そこからは足元に緑の山々に囲まれて青く光る奥多摩湖へ向けてひたすら下る。樹林帯の中仁入ると奥多摩湖は姿を隠してしまい、大ブナ尾根をじっと我慢で歩く。ガイドブックによると、奥多摩湖のバス停まで約2時間とのことだったが、どういう訳かはるかに時間をオーバーしている。もうそろそろ、もうそろそろかと思っても、いつまでも急な下りが続いた。少しおかしいなと思う。決して道は間違えていない筈なのに、山頂から丸々2時間かかってようやく奥多摩湖畔に出た。もう足が棒のよう。

  そこから更に平らになった遊歩道をダムのバス停までゆっくりと40分かけて歩く。もう秋の陽は落ちて、湖の水面に残照がきらきら反射している。17:40、バス停に着いた時には、すっかりと辺りは暗くなっていた。今降りてきた御前山が夕空に黒くシルエットになって浮かんでいた。

  「えーっ!私達あんな高い山に登ってきたのねぇ!」とNTさんもYSさんも、あらためてびっくりして感激していた。一緒に来た皆が喜んでくれて本当に良かった。

   夕暮れ間近の奥多摩湖畔に無事下山 

  とっぷりと暮れた奥多摩湖をバスで後にして、奥多摩駅に下る。20:30、新宿に着き、全員でお好み焼きを食べ、美味しいビールを飲んで苦労をねぎらう。山上での昼食も格別だったが、暖かいお好み焼きと冷たいビールの味も、これまた疲れた身体にはとても有難いものであった。■


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