Data No. 108 |
データ: |
甲州 三ツ峠山
|
|
三連休の二日目。早朝、中央線中野駅から下り始発電車に乗る。立川駅までに車内は満席になった。乗客は私のようなハイカーや、釣り人など、様々な行楽客である。高尾駅で甲府行に乗り換えたが、この車内も乗り換え客で満員になった。 電車が高尾駅を発車後、眠気に耐えられずしばらく眠りこけた。そして目が覚めると外は素晴らしい快晴であった。真っ青な澄んだ秋空の下に、綺麗に山々が見えると私はとても嬉しくなった。 大月駅乗換えで、午前7時丁度に富士急行線の三ツ峠駅に到着した。数人のハイカーが下車して、三ツ峠山方向に歩いてゆく。目指す三ツ峠山は、真正面に特徴のある姿で聳えていた。山に向かう道は広くて、よく整備されている。からりと乾いた涼しい早朝の空気の所為か、それほど汗をかかずに済む。そして、富士山の威容が私を元気付けてくれた。 約2時間の歩きで、「八十八大師」と呼ばれる石地蔵のある場所に着く。これは、この三ツ峠山を水害や自然災害から守ってくれるという88人の護衛兵達である。登りが急で苦しい所だ。 八十八大師の石地蔵群 山頂が間もなくという所で、岩登りの練習場があり、大勢のヘルメットを被った若者達がザイルで繋がれてロッククライミングを楽しんでいた。そこを通過する際、上方から「ローック!」という大きな掛け声が聞こえ、やがて「カンカンカーン!」と乾いた音を立てて石が落ちていった。石は岩にぶつかる際に火花と煙を立てて、凄い勢いで落ちていった。それほど大きな石ではないのだが、頭に当たれば絶対に無傷では済まない。そんな光景を見た私はややビビッた。 正面に大菩薩嶺 午前10時、ようやく待望の三ツ峠山山頂に到着。標高は1,786m。山頂には大勢の絵描きがいた。狭い山頂で、どこに座って休もうかと途方に暮れた。下手に座ると絵描きさんの邪魔になってしまう。ようやく狭い崖の上に場所を見つけて昼食を始めたところ、幸運にも、絵描きさん達はランチタイムでスケッチブックを閉じ、全員が山頂下の山小屋へ下って行った。ほんの束の間、山頂はとても静かな空間となった。「ほんの束の間」というのは、その直後、喧しい若い男女のグループが山頂に到着したからだ。彼らの喧しさ無作法さは、絵描きさん達の比ではない。 約一時間山頂での憩いを楽しんだ後、風も冷たくなってきたし、富士山も雲の帽子を被ってしまったので、下山する。下山には笹子駅への道をとるが、それはとても長くて退屈な道だった。しかも、わけの分からない分岐点が幾つもあってその都度悩まされる。また下山路は急で、霜柱が融け始めているのでとても滑り易かった。実際、何度か滑って転んでしまった。 笹子駅までは山頂から3時間半もかかった。あまりに長い下山路だったので、麓に中央高速道路が見え、正面に数週間前に登った大菩薩嶺が見えた時には、とてもほっとした。笹子駅に辿り着いた時には、私は心底くたびれていたし、爪先がジンジンと痛かった。しかし、この秋は、殆ど毎週出かける度に天候に恵まれたハイキングを楽しめて、その幸運を喜んでもいた。■ |