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Data No. 107

 データ:
 登頂日: 1980年9月21日
 標高: 976m
 場所: 埼玉県・東京都
 天候: 薄曇り
 登頂時の年齢: 26歳
 同行者: YSさん、MIさん、F君

 

奥武蔵 棒ノ折山

 



【賑やかに山を楽しもう!】

  9月21日、西武池袋7:30発のレッドアロー号の車内には、私の他、F君、YSさん、MIさんの合計4名の若い同僚が居た。これから皆で奥武蔵の棒ノ折山を登るのだ。

          いよいよ山へ出発 

  飯能駅からバスに乗り、小沢部落で下車。其処から歩き始める。今日はピクニックと言った方が良いような気楽さである。舗装された道から棒ノ折山への登山道入口は、持っていたガイドブックとちょっと違い、危うく見過ごしそうになったが、後ろから歩いてきた老夫婦が親切に教えてくれた。樹木に覆われて、殆ど視界の利かない山道を、F君を先頭に、MIさん、YSさん、私の順番で登って行く。雨の心配は無さそうだが、生憎の曇り空だ。

  途中から、素人のF君を先頭では危ないと判断し、私が先頭に立つ。小沢峠に出ると、あとは尾根道だ。埼玉県と東京都の境界稜線に沿って、棒ノ折山を目指す。右の埼玉側は雑木に覆われているが、左の東京側は伐採されていて明るい雰囲気だ。まさか伐採された樹木が沢山山腹に転がっているから「棒ノ折山」というのではあるまい。小沢から約二時間で標高842.3mの黒山の頂上に出る。此処も、まさか見晴らしが利かないので「黒山」と呼ぶのではあるまい。いろいろ馬鹿げた冗談を言いながら登る。黒山頂上でコーヒーを沸かして20分休憩。

  黒山を乗り越し、一旦急降下するとようやく目指す棒ノ折山の姿が見えてきた。権次入(ごんじり)峠では、いかにも阿呆っぽい若者達が、やたらとヤッホー、アッホーを連発していた。峠からややきつい20分程の登りで、ようやく標高976mの棒ノ折山頂上に到着した。

     
                  棒ノ折山山頂で                                               山頂での楽しいランチタイム

  頂上は、草も生えていない黒土が剥き出しの処であった。家族連れや子供の団体で大賑わいだ。名栗鉱泉や奥多摩側から、誰もが気軽に来られる山頂は汚い。頂上広場には、ごみの山がいくつもある。苦労して汗をかきながら登りに担いで来た食べ物のカラくらい、どうして持って帰れないのだろう。

  頂上に着いた途端に興醒めする光景でガッカリしたが、我々も、待ちに待ったお弁当を広げる。大量のおにぎりを始め、かぼちゃの煮物、チキン、卵焼き、コンソメスープ、ワインなどがテーブルに並ぶ。頂上広場の汚いところには目を向けないようにして、遠くの山々を眺めながら、女性二人が作ってくれた美味しい食べ物を腹一杯詰め込んだ。

  紅葉の素晴らしい山、苦しい登りの末に大パノラマが広がった山、アルペンムードのある山など、多少でもそういう山を知ってしまった私には、この棒ノ折山は決して感動を与えてくれる山ではなかった。ただ、同行の3人が、とても楽しそうにしていてくれたことが嬉しかった。そして、初めての山登りだからこそ、マナーの大切さを知って欲しかったので、ご飯粒ひとつさえも残さず、ゴミは全て私のリュックサックに入れた。

          権次入峠から山を振り返る

  日向ぼっこを出来るような陽気でもなかったので、ゆっくり食事をした後は、早めに下りにかかる。権次入峠まで引き返すと、今日登った二つの山、黒山と棒ノ折山が丁度左右に見渡せた。此処で二つの山に別れを告げて、名栗鉱泉への下山道に入る。尾根道を進み、途中の巨大な「岩茸岩」から右に折れ、暗い山腹の道をたどる。前日の雨の所為で滑りやすく、F君一人だけが何回も転んだ。急な下りが終り、沢に沿った車道を真っ直ぐ歩くと人家が多くなり、やがて名栗鉱泉のバス停に出た。頂上から休憩を入れて約2時間の行程。意外と人里に近い山だった。

           下山してバスを待つ   

  名栗鉱泉から満員のバスに揺られて飯能へ戻り、夕方のレッドアローで池袋に戻る。喫茶店で楽しかった一日の思い出話に花を咲かせた後、解散。本格的な山登りはともかく、この程度のハイキングといえども、手提げかばんや手ぶらでは大変なものだとF君やMIさんが判ってくれたら、今日は大いに収穫があったと言って良いだろう。■


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