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Data No. 5

データ:
登頂日: 1980年10月18日
標高 2,056.9m
場所: 山梨県(秩父多摩国立公園内)
天候: 晴れ後曇り
登頂時の年齢: 26歳
同行者: 単独行

 

大菩薩嶺・峠

 


山の名前に惹かれて

  大菩薩の名前は非常に有名である。中里介山の小説「大菩薩峠」や映画で、その知名度はぐっと上がったことであろう。

  この山はガイドブックでは夜行日帰りコースだが、所要時間を見ると、朝早く電車に乗れば日帰り可能と確信し、土曜早朝4:30に東長崎のアパートを出発し、暗い道を迷いながら、汗びっしょりになって中央線中野駅まで歩き、5:20発の中央線下り電車に乗る。高尾駅で6:15発の甲府行に乗り換え、7:26に塩山駅着。すぐに7:35発のバスに乗り、大菩薩登山口の裂石に8:05到着。ここまで全く時間の無駄が無い。

  登山道は最初は車道に沿っていて、途中から山道になるのだが、その山道の入口を見失い、不覚にもくねくねと曲がった車道をかなり歩く羽目になった。およそ20分のロスか。上日川峠という所でようやく登山道と合流し、今度は間違いなく真っ直ぐに大菩薩嶺の頂上へ続く唐松尾根を登る。目指す頂上は青空の下に聳え、麓には甲府盆地が気持良く広がっていた。しかし、頂上直下の雷岩に着くやいなや、足元から猛烈な勢いで霧が吹き上げてきて、あっという間に視界が閉ざされてしまった。こんな経験は初めてなので、とても不気味で恐ろしかった。

    
   あっという間に霧が湧き出し視界を閉ざしてしまった          展望の無い大菩薩嶺山頂

  結局、標高2,056.9mの頂上に着いても、ガスで何も見えずガッカリした。せめてあと30分霧の発生が遅ければ....。しかし、2,000mを越す山の頂上にしては樹木が茂っていて、元から眺めの良い山ではなさそうだ。ここで軽食をとったが、あまりに寂しいので、早々におさらばして、多分もう少し明るい雰囲気であろう大菩薩峠まで降りることにした。峠への下りにかかると次第にすれ違うハイカーの数が増えてきた。此処はやはり東京から夜行で来る山ではない。

  大菩薩峠はなかなか気持ちの良い場所だった。「介山荘」という小屋があり、晴れていれば此処のテラスに座って素晴らしい眺めを満喫出来そうだ。大勢のハイカーが居た。ガスの為に景色が見えないので、小屋に展示してある写真で快晴の場合の眺めを想像する。ここで晴れていれば五百円札の富士山の景色が目の前に広がっているとのことである。(実際には、近くの雁ガ腹摺山からの眺め。)景色は残念ながら楽しめないものの、一時間ほど休憩し、新鮮な空気を充分味わった。

  
   明るい雰囲気の大菩薩峠にて                   地蔵様が鎮座する

  峠から裂石までの下りは良く整備された広い道で、自転車で登ってくるツワモノも居る。また、すれ違う女性グループの中には、銀座通りから間違ってひょっこりと来てしまったような姿の人がやたらと目立つ。尾瀬でも感じたが、女性というものは、一体どういう認識を持って山に来るのだろう。それにしても、あんな格好で登ってくる根性は賞賛に値するのかな....?時間は有り余っていたので、ゆっくり歩いた。2時間もかけて裂石に帰り着き、往路を引き返す。18:30、東長崎帰着。■

 

大菩薩嶺登山行程

1980年10月18日
東長崎自宅4:30 --- 5:15中野5:20 == 高尾 ==(中央線)== 7:26塩山 7:35 ==(バス)== 8:05裂石 8:05 --- 10:50 大菩薩嶺 11:30 --- 12:00 大菩薩峠 12:40 --- 14:50裂石15:10 ==(バス)== 15:40塩山15:50 ==(中央線)== 17:08高尾 ==国分寺より西武線 == 18:30東長崎


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