Data No. 5 |
データ: |
大菩薩嶺・峠
|
|
山の名前に惹かれて 大菩薩の名前は非常に有名である。中里介山の小説「大菩薩峠」や映画で、その知名度はぐっと上がったことであろう。 この山はガイドブックでは夜行日帰りコースだが、所要時間を見ると、朝早く電車に乗れば日帰り可能と確信し、土曜早朝4:30に東長崎のアパートを出発し、暗い道を迷いながら、汗びっしょりになって中央線中野駅まで歩き、5:20発の中央線下り電車に乗る。高尾駅で6:15発の甲府行に乗り換え、7:26に塩山駅着。すぐに7:35発のバスに乗り、大菩薩登山口の裂石に8:05到着。ここまで全く時間の無駄が無い。 登山道は最初は車道に沿っていて、途中から山道になるのだが、その山道の入口を見失い、不覚にもくねくねと曲がった車道をかなり歩く羽目になった。およそ20分のロスか。上日川峠という所でようやく登山道と合流し、今度は間違いなく真っ直ぐに大菩薩嶺の頂上へ続く唐松尾根を登る。目指す頂上は青空の下に聳え、麓には甲府盆地が気持良く広がっていた。しかし、頂上直下の雷岩に着くやいなや、足元から猛烈な勢いで霧が吹き上げてきて、あっという間に視界が閉ざされてしまった。こんな経験は初めてなので、とても不気味で恐ろしかった。 大菩薩峠はなかなか気持ちの良い場所だった。「介山荘」という小屋があり、晴れていれば此処のテラスに座って素晴らしい眺めを満喫出来そうだ。大勢のハイカーが居た。ガスの為に景色が見えないので、小屋に展示してある写真で快晴の場合の眺めを想像する。ここで晴れていれば五百円札の富士山の景色が目の前に広がっているとのことである。(実際には、近くの雁ガ腹摺山からの眺め。)景色は残念ながら楽しめないものの、一時間ほど休憩し、新鮮な空気を充分味わった。
大菩薩嶺登山行程 1980年10月18日 |